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漆黒 催涙雨

作/Tana.Ellis.Kelly

降りしきる雨の中

私は来るか来ないか分からない
あなたをカフェで待つ

"ご注文は?"の言葉にためらいもせず…
自分の心に負荷をかけたくて
普段は飲めないブラックコーヒーと
苦手なシナモンロールを注文した

店内で流れるクラシックの曲が
追い討ちをかけるように
私を孤独にする

それがなんだか、

今日はなんだか、

憂鬱という心情の波で

私の好きな空間である
雨もカフェも
待ち時間も
嫌いという波に流されていく

ふと思い出す優しさ
ふと思い出す寂しさ
ふと思い出すあなたの声

離れていても心は…
離れていても想いは…
離れていても大丈夫という言葉は
自分で自分を言い聞かせるための
魔法の言葉

伝えたい事は
その都度、その都度、
必要な時に必要な分量だけ
伝えてきた

でも…
知らないふり
見ていないふり

特別なことを求めている訳ではない
私だって
単純な理由で電話したい
単純な理由で会いたい

ただ…もう…

この手をはなしてもいいですか?

手を繋ぐ事も手を放す事も
わたしの自由だから

ただ…もし、あなたがそれでもいいと言うのであれば
2人にしか分からない
感情を
2人にしか分からない
関係で
そっと誰にも気付かれないように
続けていきたい

心の片隅の本音は黒い

本当に欲しいものは心でとりにいく

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