ダンジョン飯面白い。

ネタバレ有り。
私は昔からSFやファンタジーが好きなんですけどこれは未知の生き物や文化、歴史について触れられているからで旅行好きは異文化交流好きなわけだからそりゃ好きジャンルもそうなるわなって最近気付きました。

ダンジョン飯。タイトルだけは聞いた事があったのでアニメ化を機に視聴し始めましたが個人的にカブルーが出てきてからぐっと物語に引き込まれていきました。第三者目線で掘り下げられる人物像とか好きなんですよね。そしてアニメ2期OPの一緒に踊って笑うシスルとデルガルを見て気付いたら原作一気買いしていました。君達のことが知りたいんだ。

読了後いやこれグルメ漫画の皮を被った食物連鎖ファンタジーだろ！という凄い風呂敷の畳み方で消化不良もなくお見事でした。暗いテーマも取り扱っているけど重くなり過ぎずバランス調整が巧いしギャグセンス高いので笑っちゃいけない所で強烈に笑わせに来る。寄り道できる所いっぱいあったけどメインのルートに絞ってゴールしましたという終わり方で寄り道部分が見たい人は資料集読んでねって感じですかね。

ワールドガイドとラクガキ本。
マンガ本編も楽しく読めましたが一番面白かったのは本編読了後の設定資料集！SFやファンタジーて設定が生命線なとこあるのでここで如何に本領発揮できるか重要だと思うんですけど凄く良かった！アニメで観てた時も、
第二言語で罵りたくとも咄嗟に言葉が出てこないので母国語で暴言を吐くとか妙にリアルでフフッとしてしまった。（正確には共通語には罵倒の言葉が少ないという設定でした）
あと異種交配は可能だが生まれてきた子に繁殖力がなく次世代が残せないとことかもリアル。

他気になった設定～
・マイヅルとシュロー父：マジか～生々しいわ。
・リンの両親：近隣住民からの私刑…。見間違いかな？と思って何度か読み返してしまった…。エグい設定持ってくるなぁ。
・不義の子ミスルン：そこを…詳しく…そこを…！
・フレキとリシオン：あばよ犯罪者ども！のとこの二人好き。厭世的と思いきやまだ希望があるよ一緒に居て欲しい。
・フィオニルとドニ：もうここだけで1本お話作れるでしょ。凄いロマンスあったでしょ。
・うんちから森：めちゃくちゃ笑った。
・イヅツミの魂：これ本編でやって欲しかったようなやったらやったで脱線してしまうようなレベルのぶっこみ。
・短命種コンプレックス：略してショタコンなの天才的じゃない？
・迷宮内の死者蘇生：マニュアルは今までの犠牲者の血によって書かれるとはこれまさに。
・ダンジョン飯の世界を現代日本に置き換えるとデパ地下飯になるんだなぁ。
・ライオスが女だったら村から出られず結婚して子供産んで生涯を終えるの凄く現実的でしんどい。

個人的にはタンス夫妻とキキ、カカの話がすごく胸に刺さった。
恐らくこれからノームの伝統行事に初めて参加するであろう子供時代の双子に「おやおや！どこに出しても恥ずかしくない立派なノームだ！」と声を掛ける夫妻。ここで既に胸がいっぱいになった。
他の子供達の無邪気ゆえの残酷な疎外、身体的特徴のせいでコミュニティに属せない辛さがたった1ページに在り在りと表現されていて胸が痛かった。
大人になってもずっと覚えてるもんねこれ。
そして大人になった二人の脚に興奮するナマリがだな

解像度が上がって一気に好きなキャラクターが増えました。
本編で垣間見れるのはその人のほんの一部分にしか過ぎないのだと再認識。
恋愛色をメインに据えないのがこの作品の好きなとこでもあるんだけど、ないならないでもうちょっとだけ見せて欲しくなる組み合わせも。
チルチャックの娘とか婚活女とかカブルーのお義母さんとか気になってたあの人この人も見られて良かった。
人種のステレオタイプを紹介しつつ当然ながら当て嵌らない人もいて見ていて面白かったですね。