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電動昇降デスク(Flexispot)の鬼目ナット化

電動昇降デスクであるFlexispot各種には
天板を取り付けるタッピングネジが付属していますが、
これを鬼目ナットに置き換えて組み立てました。

・・・

付属しているタッピングネジというのは、
先端が尖っていて木材にネジ穴を掘り進めていくネジです。
よく使われる手軽なネジなのですが、
一旦解体するとネジ穴がゆるくなってしまうので
同じ穴で再度組み立てるのが困難。

タッピングネジ

そこで、ネジ穴の位置に鬼目ナットを埋め込みます。

鬼目ナット Dタイプ M4x20

下穴を開けて、鬼目ナットを
ハンマーで打ち込んだり、レンチでねじ込んだりと、
埋め込むときに追加でひと手間かかります。
(一旦タッピングネジで開けた穴を鬼目ナット化することもできます。)

鬼目ナットのネジ穴は再利用できますし、
電動ドライバーなしで脱着できるようになります。
引っ越しや模様替えなど、将来解体して組み立て直す可能性があるなら
鬼目ナット化しておくと便利です。

電動昇降脚

電動昇降デスクを買うにあたっていくつか比較しました。
有名オフィス家具メーカーのは予算が一桁上がるのでパス。
IKEAのベカント・イドーセンも検討しましたが、
ベカントは上下ボタンでの操作しかなく高さのメモリーができないのと、
イドーセンはスマホアプリで操作ができますが脚のデザインが・・。
地方在住なのでIKEA商品の入手そのものが困難ということもあり。

価格とスペックのバランスが良く入手もしやすいFlexispotに。
フルスペック機種であるFlexispot E7とほぼ同じスペックで、
楽天市場限定で販売されていて実質価格が1万円ほど安い
Flexispot EC5にしました。

段ボールからEC5の部品をすべて取り出したところ
モーターが入ってる支柱が激重

カタログスペック上のE7との違いはごくわずかです。

  • EC5の方が昇降範囲が数cm高い

  • EC5の方が速度がわずかに遅い

  • EC5の方はケーブルカバーの代わりに両面テープで付ける結束バンド

  • EC5にはリモコンにUSB電源がついている(唯一?のメリット)

天板

設置場所的に天板幅は160cm。
Flexispotの160cm幅の純正天板は奥行きが70cm。

広いワークスペースが欲しくて、通販で買える160x80cmの天板を検索。
(IKEAのベカントの160cm幅天板ならば
 奥行きが80cmあるのですが、買いに行けない。。)

Garageという家具のECサイトで
160x80サイズの単体売りの天板を購入しました。
色は4色から選べて、発送も早いです。
Flexispotへの取り付け報告もネットで見つけました。
(Garageには楽天市場店もあるのですが、
 天板単体の扱いをみつけられませんでした。)

この大きさの梱包ならマンションのエレベーターにも乗ります
すでにナットや下穴がいくつもついてますが使いません

ネジ・ナット

Flexispotに付属してきたタッピングネジはM4.2×20(太さ×長さ)
鬼目ナット化するにあたって、
自分で径や長さを選択してタッピングではないネジを準備しなくては。

呼び径(太さ)

天板との固定穴にはゴムのクッションが取り付けてあります。
この穴には最大M5までのネジが通せます。
(ゴムクッションを取り外すとM6まで使えるそうです)

できるだけ太いネジの方が”せん断力”にも強く、
がっちり固定できそうです。
しかし、固定穴の大きさに遊びがなくなり、
ナットの位置決めに高い精度が求められます。

細いネジならば穴あけ位置ズレの許容範囲は大きいですが、
あまりに細すぎるネジでは固定が不十分になる可能性も。

付属品のネジが4.2であることをふまえて総合的に判断
呼び径M4のネジと鬼目ナットを使うことにしました。

長さ

Fantoniの天板の厚みは28mm。
当然長いネジで天板を貫いてはいけないし、
短いネジで浅ければ抜けやすい。

鬼目ナットを商標登録しているムラコシ精工のラインナップでは、
Dタイプ(ツバ付き・ねじ込み)のM4は20mmのみしかありません。
自動的にこれを選ぶことになります。

最寄りのホームセンターをいくつもはしごしましたが、
このタイプ・このサイズは取り扱いがありませんでした。
初めからネット通販に頼るべきでした。

Flexispotの鬼目ナット化をされている多くの方がこれを選んでます。

ネジの長さは、
鬼目ナットの深さ(20mm)に加えて、
プレートとゴムクッションの厚み
+丸座金(M4x10)&ばね座金分の厚み分を足して25mmとしました。
(座金を使わないならば20mmの方が無難か?)

リモコンやコントロールボックスも鬼目ナット化するなら、
ネジとナットは少なくとも16セット必要です。
鬼目ナットは破損することもあるようで予備も準備しておきました。

予備を含め20組準備

組み立て

脚部の仮組み

説明書に従って組み上げていきますが、
イラストの表裏がいつのまにか逆になっていたりしてちょっと困りました。

仮組みの段階では、支柱の固定も含めて
あとから締め付けられるネジは
少しゆるめの仮締めにしておくのがオススメ。
そうしておくと、のちほど天板への固定位置を微妙に調整できます。

天板への固定位置決め

Flexispot純正の天板であればあらかじめ下穴が空いているようなのですが、
他社天板なので位置決めは自分でしなくてはなりません。

固定位置

奥方向への固定位置は、支柱が真ん中にくるように。
天板の奥行きが800mm、「プレート」の長さが580mmなので、
手前・奥の端からそれぞれ110mmの位置に。

左右方向は、天板にすでについているナットや下穴と干渉しないように、
そして、今後側面にもクランプを取り付けるかもしれないので。
80mm余裕をとりました。

えんぴつでマーキング

えんぴつでマーキングしたうえで仮組した脚部を置きました。
その重さとゴムクッションのおかげで、
いったん置いてしまえば滑らないので作業はしやすいです。
位置が決まったら仮締めしておいたすべてのネジを本締め。

この段階で一旦コネクタ関係を接続して動作チェックを兼ねて
リモコンやコントロールボックスの位置を決めておくといいです。
(ACアダプターコントロールボックスのケーブルがやや短い)

下穴開け

鬼目ナットをねじ込むための下穴を開けます。
4mmの鬼目ナットの下穴の指定サイズは5.7〜6.0mm。

穴あけ位置の精度はここでほぼ全て決まるといってよいでしょう。
ポンチで板にわずかな凹みをつけます。
プレートの金属穴の真ん中にポンチを打ちます。
金属穴についているゴムクッションが
うまいことポンチをど真ん中に誘導してくれるガイドになりました。

ハンマーで数回叩いて凹みを作ります
径1mmにも満たないわずかな凹みですがこれで十分。

この凹みにドリル先のトンガリを当てると、
先端がブレないのでより正確な位置に穴あけできます。

垂直かつ指定の深さに穴を開けるために、
ドリルガイド
ドリルストッパーを使いました。

ドリルガイドは、
垂直に立てた金属の穴にドリルを通して
ドリルが垂直に進むようにするもの。

(使ってみましたが垂直を保持するのがなかなか難しく、
 効果のほどはあまりよくわかりませんでした。)

ドリル刃の途中にドリルストッパーを付けておくと、
その深さ以上にドリルが進んでしまうことを避けられます。

今回使ったSK11のは、ペットボトルキャップのような素材感で、
レビューでは固定がズレて使い物にならないとも見かけたのですが、
今回の作業では軽くドリルを押し付けたくらいでは動きませんでした。

ドリルガイドとストッパーは排他使用

ただ、ドリルガイドとストッパーを同時には使えませんでした。
(ドリルの長さが足りないのでガイドから先端が出ない)

何度か穴あけをしてみた結果、次の手順がマイベストでした。
(ドリルガイドを使わないならば2.と3.は省略できます)

  1. ポンチで位置決め。

  2. ポンチの位置に4mmのドリルで浅く(深さ1-2mmで十分)穴あけ
    →ドリルガイドを使うとポンチ穴が見えず位置合わせが難しいので
     穴を拡大しておくのが目的

  3. ドリルガイドを使って、
    4mmドリルで目分量で深さ10mmくらい穴をあけて垂直をとる
    →ドリルガイドのアダプターで一番細いのが4mm

  4. ドリルストッパーをつけて4mm×20mmの穴あけ
    木くずを周囲にバラマキはじめるのがストッパーが近づいたサイン。
    押し付けすぎないようにさらに進めると、
    ストッパーが当たって空回りするので慣れると手の感触でわかります。

  5. 同じくドリルストッパーをつけて穴を6mmに拡げる

ドリルストッパーをつけて4mm穴を開けているところ
6x20の穴が2つ。穴周囲は化粧加工がやや乱れましたが想定内です

鬼目ナットの埋め込みとネジ締め

下穴に鬼目ナットを4mmレンチでねじ込んでいきます。
ツバが木材に軽く食い込んでツライチになるくらいまで。

レンチでねじ込み
ツバが埋まってフラットに

まずは仮締め
今回使ったネジはヘッドが大きいので手回しで仮締めできて楽。

ネジ頭にギザがついてて手で回せます

全てのネジを仮締めし終わったら、
軽く抵抗があるところまで3mmレンチを使って本締め。

本締め

天地返し

電動昇降デスクを組み上げる中で一番のイベントが
床に置いてある天板を180度ひっくり返して表に向ける
天地返しだと思います。

私は、床の保護を十分にしたうえで、
脚がすべらないような固定を工夫して
90度づつ起こすことで一人でできましたが、
特に大きな天板をお使いの方は、大人数人でやった方が絶対安全です。

脚の下にカグスベールを仕込んで、楽に移動できるようにしました。
カグスベール重量用は、粘着テープではなく敷きこむタイプで、
天地返ししたあとで装着するとデスク自体の重みで固定されます。

軽いアクセサリの取り付け

ケーブルホルダーや家具用コンセントのように、
軽くて引き抜き強度がそれほどいらないものは、
わざわざ天板を貫いてしまうリスクを冒さなくても
4×10程度の浅い鬼目ナットで十分と思います。

このサイズにはツバ付のDタイプはなく、
ツバ無しのEタイプを近所のホームセンターで購入しました。

鬼目ナット Eタイプ 4x10

使う状態にしてから取り付け位置を決めたかったので、
天地返ししたあとに作業しました。

位置決め→下穴→埋め込みという作業工程は一緒ですが、
すべて上を向いて&重力に逆らってする作業になるのでツラいです。
(切り粉やネジ、工具の落下に備えてゴーグルや床の保護は必須です)

苦労のあと

作業の困難さや降りかかる切り粉を覚悟したうえで作業しましたが、
天地返しをする前に作業した方が圧倒的に楽です。

天板の端に取り付けた家具用コンセント
IKEA コップラ

CPUスタンドの取り付け

デスクトップパソコンを天板の下にぶら下げる
CPUスタンドも鬼目ナット化しました。

CPUスタンド本体でパソコンを上下左右挟み込んで固定。
天板下とPC天面の間には十分な間隔ができるので、
昇降デスクのビームやリモコンには干渉しません。
回転させたときにPCの背中側が支柱に当たらないことだけ注意です。

位置決めのためパソコンをずっと持ち上げてたら腕がヤバいことに。。
ガス圧昇降椅子に乗せてラクラク位置決め。
リモコンの真下のパソコンが来るようにしました。

回転させても支柱にあたらない場所に位置決め

天板取り付け用のプレートを当てて穴部分の位置をマーキングし、
ポンチ→4×20mm垂直穴あけ→6×20mm穴あけ→鬼目ナットねじ込み

4x20の鬼目ナットDタイプ4つを埋め込み

昇降脚の固定には4x24のネジを使いましたが、
プレートが薄いのでここのネジは4x20で。

4x20のネジでプレートを取り付け

PCをはさみこんだCPUスタンドをプレートとガッチャンコ。
デスク天板とPCとの相対位置が変わらないので
ケーブルの引っ張りトラブルを避けられて安全
&浮いているのでホコリがたまりにくい&回転するのでメンテがしやすい。

床スッキリ


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