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下地にガッチリ固定! じょうぶな後付コンセントを増設

コンセントを増設するにあたり、後付け用の材料を使わずに、
本来壁を貼る前に下地に固定するスイッチボックスを使用しました。
※本記事の作業には電気工事士資格が必要です

通常のコンセント工事と後付け工事

多くの建物の室内壁は、
建物の柱や梁といった構造部分に固定されている下地の上に
石膏ボードという比較的柔らかい素材が貼られた構造です。

新築物件のコンセントは、
石膏ボードを貼る前に下地にスイッチボックスを固定して、
石膏ボードを貼ったあとに穴あけして器具を取り付けてあります。

壁を貼ったあとの建物で、
後付けでコンセントを増設したり移動したいというときには、
スイッチボックスを下地に取り付けられないので、
ふつうは、石膏ボードを挟み込むタイプの固定材料を使います。

YoutubeでもDIYでコンセント増設している動画がたくさんありますが、
ほとんどがはさみ金具を使った方法です。

ただ、下地にガッチリ固定されるスイッチボックスと違って、
後付け用の固定材料は比較的もろい石膏ボードに固定するので、
コンセントに強い力がかかったときには、
壁もろとも壊してしまうこともあるようです。

石膏ボードが貼られた壁で、
スイッチボックスを下地に後付け固定してみます。

(手間が増えて面倒なので、
 プロの方もあんまりやらない方法なんでしょうか?)

計画

壁に開けた穴からスイッチボックス(未来工業 SBO)を差し込んで、
穴の向こうで下地に固定するという作業になります。

化粧プレートに隠れる範囲でなるべく大きい穴の方が
作業はしやすいはずです。

しかし、なんせ初めてやる工事なので。。
もしうまくいかなかったときに
後付け用(石膏ボードを挟むタイプ)の
パネルボックス(未来工業SBP)に変更するという
2ndプランも残しておくことにします。

パネルボックスを取り付けるための穴開けには条件がいくつか。

  • 開口する穴の大きさがシビア(穴が大きすぎるとはさめない)

  • 羽が広がるので下地からの間隔(15mm)が必要

スイッチボックスを差し込めて、
かつ、パネルボックスを使うための条件を満たすという、
2条件を満たす限界ギリギリの開口での取り付けにチャレンジしてみます。

①SBO・SBP両方の図面をダウンロード

メーカーから図面をダウンロードして
2つのボックスの正確なサイズを確認します。

実測するよりも正確なサイズを入手しましょう

②最低限必要な開口部のサイズ、位置を決める

どちらのボックスを使うにしても開口部の縦は98mmです。
開口部の水平位置、横幅を決めるための条件は下記の3つ。

  • SBOを壁裏に差し込むため厚み分(36mm)以上の開口幅が必要

  • SBOの取り付けに成功したとき(図面黒ライン)に、
    とりつける器具(コンセント)の幅は36mm、
    下地から17mm開けたところに開口が必要。
    (図面緑ライン)

  • SBPを取り付けるためには、
    羽が広がるため下地(LGS)から15mm以上開けて、
    幅52.5mmの開口が必要。
    (図面赤ライン)

開口部の図面
(FL+300は、FL+200の間違い)

まずはSBO・SBPそれぞれの取り付けに必要な開口部が重複する範囲、
図面の緑の枠の分だけ最小限に開口します。
(=どちらを取り付けるにしても無駄にならない開口)
この開口部なら、厚み36mmのSBOを挿入することもできます。

うまくいかずSBPを使うことになったら右側に開口部を拡大する、
というプランでいきます。

シミュレーション

この脳内プランが実際にうまくいくかどうか。
ダンボール板で事前にシミュレーションしました。

下地探しで下地の位置を確認し
床から200mmの高さを中心に縦に98mm
下地から17mmのところを左端として幅36mm
を開口部としてけがきます。

カッターで石膏ボードを開口しSBOを差し込みます。
壁の向こうでのボックスが落下することを防ぐため、
ケーブルを命綱として差し込んでおきます。

左手でボックスを左手前(下地と石膏ボード)に押し付けつつ、
右手でネジ締め。

左手でボックスを保持
石膏ボードと下地に密着させる

SBOの取り付けがうまくいかなかったときには、
開口部を右方向に52.5mmまで拡大して、SBPを差し込みます。
(開口が大きすぎると手前の羽が穴に落ちるので注意!)

拡大した開口部にSBPを差し込む

下地との間隔を開けてあるので、
固定用の羽が十分に広がるスペースがあります。

シミュレーションの範囲では想定通りにいけそうです。

実作業

今回の作業は数mmズレると、SBPの羽が広げられない可能性があるので。
まずは下地センサーでアタリをつけて、
さらに下地探しの針を刺して、より正確に下地の端の位置を確認しました。

針が当たるところと当たらないところの境目でマーク

事前の計画のとおり、水平・垂直をとりながら、
壁紙に張ったマスキングテープにけがいていきます。

カッターで開口しました。

こっからスイッチボックスが入るのか?

他のコンセントから送ってきたケーブルを
ボックスの上下に通したまま挿入。

片手でケーブルを保持しておきます

ボックスが壁裏に入ったら、
ボックス正面からケーブルを十分に引っ張り出して落下を防止します。
(おそらく落とすと救出困難。この建物が解体されるまで
 落ちたボックスは壁裏に残ってしまうことに。)

念のためケーブルの端を上に曲げておきました

ボックスの上下位置を合わせて、
左手で下地と石膏ボードにボックスを押し付けながら、
電動ドライバーでネジを締めていきます。

ここで問題が。
軽量鉄骨下地(LGS)に対して斜めにネジが当たるので、
ネジが下地に食いつかず、下地の上をすべってしまう。

失敗も頭をよぎりましたが、
ポンチで下地に凹みを作って、
細い鉄工ドリルで下穴を開けることで、なんとかネジ固定ができました。

接続。念のためにブレーカーを上げて極性チェック。

黒線が非接地側(活線)
完成です


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