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マルチ商法もしくはマルチっぽいものにハマってしまう心の状態について

皆さんこんにちは、炭山水です。

Twitterにてふとこんな記事の紹介を見かけて、僕も思うところがありましたので筆を執りました。

若者を食い物にする「モノなしマルチ商法」首謀者に聞く、悪の手口

マルチっていうのは特定商取引法に定義されている連鎖販売取引のことを指すのが一般的ですが、僕はあの手法はたまたま連鎖販売取引と親和性高くて利用されてきているだけだと考えてます。

故に「似たような手口だなぁ」と思うモノを最近見るようになったと感じるわけです。

あ、そうそう、特定のサービスを名指しで語るつもりは一切ないのでご了承ください。傾向とかやり方とかの紹介ですので。「それって○○のことですか?」と聞かれても僕は一切回答しません。

どんな人がハマるんだい?に対するよくある認識

「バカだから」

はいこの話おしまい。

じゃあnote書く意味もないですよね。おっしゃることはごもっともなんですが、掘り下げるといろいろ出てくるものです。

「バカだから」で済ませたい方はこのまま回れ右してブラウザ閉じていただければと思います。あなたもあなたの友人も金輪際かかわらないか、身近な人がハマったらスパッと縁を切るようにしていればだいたいその認識で問題ないです。

あと、そういう「マルチっぽいもの」要素に一切かかわらず、淡々とサービスのみ受ける冷静な方もいらっしゃるとは思うので、そういう方も回れ右してブラウザ閉じてください。無駄に失礼なことを申し上げることになってしまいますし。

「マルチっぽいもの」の手口とのめりこんでいく過程

きっかけはいろいろです。アフィリエイト記事を信じてしまったり、まぁ友達の言うことだし付き合ってやるかだったり、現状があまりにも大変で縋るものが欲しかったり。

心が弱ったり、逆にちょっと間違った方向に一念発起してしまうことは誰にでもありますし、そもそもだけれどもあーいうのは不安を、そこについてはやむなしと僕は考えます。

問題はその先です。

STEP1. とにかく居心地がよくなる

現状に対する不安だったり抱えて「マルチっぽいもの」やり始めるわけですから、居場所があるとそりゃあ居心地も良くなりますし、居心地の良い場所を演出もします。

単純接触の法則じゃないですけど、昔ならホームパーティーなり、今ならSNSでのやり取りなり、「ほら、こんなに楽しいでしょ」とやるわけです。何なら普段なら体験できないようなキラキラしたパーティー開いたりもしますね。日常非日常織り交ぜてコミュニティとしての居場所を作り、すこーしづつ依存させてくわけですね。

この辺のSTEPでとりあえず「なんか世間での評判は悪いけど、実際体験してみてまあ、楽しいしいいか。聞くのとやるのじゃ随分違うなぁ」くらいの気持ちにはなります。これは伏線です。

あ、もちろんそもそもサービスありきですので、マルチならそこの商品なりなんなりを毎月じわじわっと使わせるのは前提ですね。

STEP2. 同業disを吹き込む

このステップは大事です。マルチなんかだとご同業だらけですのでdisり対象には事欠きませんね。

同業disすると何がいいって、メンバーに「玉石混合の中でまともなものを見つけた自分、もしかして見る目があるんじゃないか?」という錯覚をさせることができます。これも伏線です。

STEP3. 周囲と衝突させる

次に、参加していることを周りに公言させます。友人を勧誘するであるとか、Webで発信するであるとか、時代時代でやり方はいろいろありますが、とにかく「こういうことやってるんだよ」って周囲に伝えさせます。

イメージが良くないもんですから当然周囲からは大反対されるわけですが、もちろん意図してのことです。

これには以下の効果があります。

まず一つ目、反対の嵐を受けることで結束が強くなります。すでにしっかりと居心地がよくなっているわけですから、反対してくる人=敵、です。もちろんコミュニティ上層部から「ダメダメ言ってくる奴はお前に嫉妬しているとか足を引っ張りたいやつだから意見なんか聞かなくていい。」と言っておくことも大切です。大切にしてくれるのはコミュニティの仲間だって思うようになりますからね。

そして二つ目、名前が売れます。悪評でもなんでもいいわけです。むしろ悪評があった方がいいくらいです。知ってる人の母数が増えると伏線が活きてきます。「世間のパンピーがダメダメ言ってるけど、これのすばらしさに気づいた自分、もしかしてすごいんじゃね?」という気分を演出できます。

STEP4. やめた人の悪口

ここまでくると、違和感があって距離を置く人、突っ走り切れなくて辞めちゃう人などが出てくるわけですが、弱い奴だからだのなんだのと悪口を吹き込むことで、残った人たちの「生き残った自分らつえー!」感を出すのも容易です。ブラック企業なんかが良くやる手口ですね。

このくらいになってくると世間の悪評も相当なもんですが、メンバー同士で「自分たち何も悪いことしてないし、一生懸命やってるだけなのにね。なんで世間は僕らのことこんなに悪く言うんだろうね」と価値観を内輪で強化し始めるのであとはSTEP1~4のスパイラルでどんどん先鋭化していきます。ばっちりですね。

のめりこむときの心の状態をまとめると

のめりこむときの心の状態をまとめると、こんな感じじゃないかなと思います。

・現状に対する不安、不満
・自分だけはうまくやれると思う根拠のない自信
・内輪で価値観を強化、外の話を受け入れなくなる

終わりに

僕はぶっちゃけやむなし、と思っています。経済に対する不安、会社に対する不安もそうだし、中二病の社会人版じゃないけど、「なにかを成し遂げたくなる病」はしかみたいなもんで、結構な割合の人に訪れることかなと。

こういう手口、こういう心の状態になるんだよって話がしたかっただけで特に解決策とか対処法があるわけでなし、何なら「いっぺんくらい罹患しとけば?傷が深くない程度に」くらいのことは自分が責任を負う相手でもなければ思ってたりするので対処する気もありません。

単にみなさんの気持ちの測定基準の一つとしてご利用いただけたら幸いですというところで筆をおきたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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