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宝塚記念の個人的ポイント

 2022年G1上半期の総決算、宝塚記念がやってきた!
 出走馬は18頭のフルゲート。意外なことに宝塚記念はフルゲートにならないことも多い。今年はしっかり18頭の実力&人気を兼ね備えた競走馬が揃った。

 出走馬で人気が予想される上位5頭は、
①タイトルホルダー
②エフフォーリア
③ディープボンド
④デアリングタクト
⑤パンサラッサ
 だろうか。個別の考察は後半に記載している。


 宝塚記念は阪神競馬場で開催される芝2,200mのG1。
 G1では珍しく非根幹距離(距離が400mで割り切れない)のレースで、突出した実力馬でも苦戦を強いられることもある。例を挙げるとすれば、牝馬でダービー制覇を成し遂げたウオッカや、史上最強の牝馬ことアーモンドアイ辺りだろうか。
 それは何故か。競走馬にとって400mは非常に切りのいい数字なのだ。ほとんどのレースが400mの倍数で開催されるため、馬は400mの倍数の距離で実力をきれいに出し切れるようにトレーニングをする。故に、200mという微妙な距離の延長(短縮)はペースが乱れてしまうわけだ。2400mの走り方ではスタミナが若干余るし、2000mの走り方ではスタミナがやや足りない。この辺りはジョッキーの技量も問われる。

 また、阪神の2,200mは非常に難しいコースとして知られている。
 近年最も活躍している騎手であるC.ルメール騎手も「阪神の2,200mは難しい」とコメントを残しています。
 ただでさえ難しい阪神2,200m、関東所属の騎手にとってとんでもない逆風になる。阪神2,200mの成績は「外国人騎手>関西所属>関東所属」となっている点も頭の片隅には入れておきたい。


 では、人気が高そうな5頭を順に考察していく。

 1頭目はエフフォーリア。
 前走の大阪杯では初めての関西遠征やゲート内での衝突などマイナスの要因が重なりすぎた反省点の多いレースだった。長期休養明けで馬体も緩く、精神的な成長もあってか前へ進む意欲が3歳春に比べて大きく減衰していた。
 今回は初めての試みとなるブリンカーを着用しての1戦。2週前時点の調教の様子は「本当に走れるの?」と思うような内容だった。しかし、ブリンカーを着用してからは一遍、走りに集中できるようになってか調子は上昇傾向にある。ただ、1週前のフォトパドックでの完成度は「前走より良い」といった具合で最後の1週間でどこまで完成度を上げられるかがカギになりそうだ。

 2頭目はタイトルホルダー。
 前走の天皇賞(春)は圧倒勝ち。スタートから一気に先頭に立ち、上がり3Fも最速と圧巻のレース。菊花賞の内容も踏まえて現役最強のステイヤーと言って差し支えない。
 問題は距離の短縮。それも1000mの短縮だ。タイトルホルダーは菊花賞の前哨戦として挑んだセントライト記念(13着)以降久々の中距離。しかも今回と同じ2,200mの距離で13着と惨敗している。
 今回は逃げ馬が多く、パンサラッサやアフリカンゴールド辺りがハナの奪い合いに参加してくるだろう。セントライト記念では馬群に飲まれてしまい最後の直線で伸びなかったことを考えると、是が非でも先頭に立ちたい。

 3頭目はディープボンド。
 タイトルホルダーと同様にステイヤー気質の馬で、去年は凱旋門賞へ挑戦もした。父のキズナは非根幹距離及び宝塚記念で単勝回収率・複勝回収率の数字がダントツで高いため、血統面でも期待が持てる。
 問題は実績が長距離に傾いているところ。中距離の実績は正直物足りない。レースレベルとしてもG1の中で高い部類に入る宝塚記念でしっかり力を出し切れるかどうかを考えたい。

 4頭目はデアリングタクト。
 無敗のトリプルティアラを成し遂げた牝馬。牡馬の斤量が58kgと重い中、牝馬は-2kgの斤量で挑めるのでアドバンテージがある。
 前走のヴィクトリアマイルは1年を超える長期休養明けのレースであり、叩き2走目での良化に期待したい。
 問題はエピファネイア産駒の5歳馬は未だ勝利経験がないこと。ピークが怪我の療養中に過ぎてしまった可能性も否定できない。母父がキングカメハメハのエピファネイア産駒は母父サンデーサイレンス系より成長の余白が大きいと考えているので、調教の様子から判断したい。

 5頭目はパンサラッサ。
 ドバイの地で初めてのG1を獲得した逃げ馬。4歳後半辺りから成績が上がり始めているためピークが過ぎたということはないだろう。
 父はロードカナロアとスタミナよりもスピードに優れた血統を順当に受け継いでいる。そのため個人的には1,800m前後が適正距離のような印象を受ける。2,200mをあのスピードで走り切るスタミナがあるかが心配だ。タイトルホルダーとのハナ争いは注目だが、スピードはパンサラッサに持続力の面ではタイトルホルダーに軍配が上がる。どちらがレースを引っ張るか、どのように立ち回るかが焦点になりそうだ。


 というわけで宝塚記念の予想のポイントを並べてみた。
 予想の役に立ててもらえると嬉しい。

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