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【3】TMFC解説 予測「かもしれない守備」

こんにちは、 東京ヴェルディ 田村直也です。

いきなりですが、このTMFC解説を何の為にやっているのかというと、

もちろん東京ヴェルディや田村直也を知ってもらいたいという気持ちと

「サッカーにおける知識と、実際にプレーしている側とのギャップ」

「経験でしかわからない部分」

プロを目指している子供達やその保護者、ファン・サポーター向けて書いている部分もあります。

また、アウトプットすることで、自分自身の考えが整理させるので

プレーにもいい影響

があると考えています。

今日のnoteは、そう言った面でも非常に大事な話で、

自分がサッカー選手として一番こだわりを持っている

「かもしれない守備」

について解説していきたいと思います。

大切なことなので是非、最後までお付き合いください。

それではtwitterで書いた文面を見ていきましょう。


【3】予測 [かもしれない守備]

教習所などで

「かもしれない運転」を習いますが、

サッカーにおいても

「かもしれない守備」は基本。

相手やボールが、もしかしたら抜けてくるかもしれないという「予測」

カバーリングを信条としている身として

この「かもしれない守備」は

サッカー選手としての生命線。

(2018.10.3投稿)


前回のnoteで、このクラブでサッカーを続けていく上で大切なことを書きました。

今回は、自分がサッカー選手として大切にしてきたこと、

逆に言うと

これが無かったらサッカー選手にはなれなかった

ことです。

それが

「かもしれない守備」

なんです。

運転免許を取得する際に、教習所などで

「かもしれない運転」

というものを習います。

住宅街などに停まっている車の横を、スピードを落とさずに通過し、突然ボールを追いかけて出てきた子供とぶつかりそうになって

キャー😱😱😱

となるあれです。

免許のない小学生なら、逆の立場として、

ボールを追いかけてしまった子供

だと考えて下さい。

多分、人が出てこないから大丈夫だろう。

早く帰りたいから止まらないで通過しよう。

ボールが出ちゃったから早く取りに行こう。

もっというと、何も考えずに運転している人もいるかもしれません。

つまり、

予測が出来ていない

のです。

もしかしたら子供が出てくるかもしれない。

もしかしたら車が出てくるかもしれない。

その予測が出来たら、未然にこの事故は防げたかもしれません。

また、その予測をした結果、誰も出てこなかったら、それはそれでOKなんです。

では、サッカーの話に戻しましょう。

僕は守備をする時、

いつも

自分の所にボールが来るかもしれない

と思って守備しています。

相手がサイドを崩し、クロスボールを上げようとしている時は、

必ず自分の所に来るかもしれないと思い

心の中で準備しています。

また、

相手と味方がボールを奪い合っている、または競り合っている、

雨の日にキーパーに強いシュートが飛んでくる、

味方が対処を誤り、相手に奪われる、

そんな状況が起こりそうな時は予め予測して

自分の所に転がってくるかもしれない

と思って準備しています。

この

〜かもしれない

という心と体の準備、予測が出来ていれば

予測していない人に比べて一歩早く動く事が出来ます。

また、こういう予測を持った選手が周りにいると

チャレンジする選手も積極的にボールにアタックできるので、

自分がカバーのポジションを取っていることを予め声で伝えます。

インターセプトが多い選手、

飛び出しのタイミングが良いキーパー

はこの準備をいつもしている選手です。

ベガルタ仙台の富田晋伍選手は、試合中いつもこの準備ができている為、体は大きくはないものの、相手からボールを奪う技術、またインターセプトの技術が優れています。

(自分が奪いたいコースをわざと空けて誘うのも上手い)

身体能力が高い選手は遅れても追いつける可能性が高いのですが、

そうではない自分は小さい頃から、予測と準備をする習慣を身につけ、そこに強いこだわりを持ってプレーして来ました。

もちろん、それだけでここまでやってこれた訳ではないのですが、

相手よりも一歩早く動く事にこだわりを持つようになってから、

自分のプレーに余裕が生まれてきたことは事実です。

もちろん、その予測が必ずしも当たるとは限りません。

相手の能力が上がるにつれて、その予測を上回る、

または、それすらおとりにできる選手が現れます。

例えば、広島の青山選手、鹿島にいた柴崎岳選手(他にも沢山いますが、今回は2人だけ)などと対戦した時は、

逆サイドに蹴るフォームを見せながら、僕の予測や動きを見て判断を変え、フォワードの足元にパスを入れてきました。

そういった選手は、

相手の動きを見て判断を変える事が出来る

もっと言うと

相手のセンターバックやサイドバックの「目」を見てプレー出来る


素晴らしい選手です。

この

相手の目を見て判断を変えれる選手

は本当に理想ですし、自分も常にビルドアップなどで心掛けているところです。

そういう選手と出会った事で、僕自身、予測しながらも相手に動きを見破られないように動く、

忍者のような待ち方(忍び足的な感じです)を研究するようになりました。

自分が試合を観る時や指導者として選手を育てていく立場になったら、

そういった目を持っているかに注目します。

守備側のレベルが上がれば、必然的に攻撃側のクオリティが上がる。

守備側に働きかける事が、チームの質を上げる。

簡単ではないと思いますが、攻撃と守備が目まぐるしく変わり続ける現代サッカーにおいて、

このような予測を持つ事は非常に大事な要素です。

話が少し脱線しましたが、

常に自分の所にボールがこぼれてくると思って準備すること、

ボールや人が抜けてくるかもしれないと予測すること

この2つの重要性を分かっていただけたでしょうか。

この2つが、サッカー選手としての田村直也の

「生命線」

なのです。

サッカーだけではなく、

常に相手が何を考え、何を話しかけてくるのかを予測して準備したり、

プレゼンなどでは、予め相手の質問に対する答えを用意する、あるいは

自分の考えを持っておく事

が大切ですよね。

ただ、予期せぬ事態や、それを上回る現象が起きた時に、対処する力。

この部分は経験した人にしかわからない事ですし、

自分も多くの失敗から学び今があると思っています。

サッカーについては、一生学ぶ姿勢を保ち続けなければなりませんし、

「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」


というロジェ・ルメールの言葉を胸に、

選手としても、将来的にどんな道に進もうとも

精進していきます。

以上、長くなりましたが呼んでくれた方、

最後までありがとうございました。



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