なんでもないこと、もしくは重要なこと

仕事を辞めた。で、また別のところで働いた。
前みたいに、一つのところで働くのではなくて、とりあえず写真を撮ってくれって言われたときにその都度撮ってお金をもらっている。写真を撮る仕事がないときは、建築学生時代にお世話になった先生の設計事務所で模型を作っている。

久しぶりに自炊をする。玄米を炊く。玄米は炊き上がるまでに時間がかかる。炊飯の度に精米を面倒くさがってしまったツケを払っている。玄米は美味しくない。白米のような粘りはなく、パラパラとした感じになる。水の分量にかかわらずパサパサした仕上がりになる。インスタントの味噌汁と納豆で食べる。

仕事で撮った写真を現像し、jpegに書き出す。必要であればphotoshopで修正する。門扉につけられた立ち入り禁止の看板を消す。

模型製作のアルバイトに行くときはバイクで行く。片道1時間弱の道のりは、長いようで短い。車と車の間を縫うようにして行く。朝の甲州街道は混雑する。車の間を行かなければ倍近くの時間がかかってしまうから仕方がないなあと思う。

写真を現像するのはつらい。撮った写真がヘタクソだからである。なんでヘタクソなのかはわからない。

すばらしい写真が載っている本を持っている。何年か前のAlvar Aaltoの展示の図録で、Armin Linkeという写真家が撮ったAaltoの建築写真が載っている。自分の興味が建築から写真に移るきっかけとなった写真だ。こんなふうに撮れたらいいなと思って毎日眺めている。なんでこんなふうに撮れるのだろうと思う。

納豆を混ぜるときはタレを入れる前に混ぜる。必ずそうする。

草野球に毎週末参加することを1ヶ月ほど続けてみた。もう草野球はいいや、と思った。あれだけ情熱を傾けて上達したことが、全然できなくなっていることに耐えられなかった。河川敷のだだっ広いグラウンドの外野を守っていると、なんで自分が今ここにいるのかがわからなくなる。他人の投球、他人の打席、他人の勝敗を傍観する。それは自分には関わりがないことだ。

1ヶ月前に追突された。まだバイクの修理代金は支払われていない。

友達と美術館に行く予定をすっぽかされた。それ以来会っていない。

乾いた洗濯物を畳む。

家に入ってきた虫を殺す。

地元埼玉のラジオを聴く。終わった番組、新しく始まった番組、色々ある。小さい頃聴いていた番組をまた聴きたい。「鬼玉」という番組。番組。番組という文字は画数が多い。

書くことがないので寝る。

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