「取り敢えず出勤する」「取り敢えず通所する」

アイワークスの田村です。先日、障害者雇用で成功している当事者の方とお話しする機会がありました。その方がおっしゃっていたことが印象的だったので、ご紹介します。

特に、メンタルが不調な時にどのよう過ごすかについてお話します。

低い目標を設定することの重要性

メンタルが不調な時、私たちはしばしば高い目標を設定しがちです。「仕事を完璧にこなす」「訓練を完全にやり遂げる」などの目標は、一見すると正しい目標のように思われます。

しかし、実際にはこれがプレッシャーとなり、体調をさらに悪化させる原因となることが多いのです。

成功している当事者の方々の声を聞くと、彼らは口を揃えて「取り敢えず出勤する」「取り敢えず通所する」という低い目標を設定していると言います。

このように低い目標を設定することで、達成感を得やすくなり、メンタルの負担を軽減することができます。

完璧を目指さない

完璧主義はメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことがよく知られています。

訓練や仕事において「完璧にこなすこと」を目指すと、失敗や達成できなかった時の自己否定感が強くなり、結果としてメンタルが不調になることがあります。

成功している当事者の方々は、「取り敢えず出勤する」「取り敢えず通所する」だけで十分と考えています。

出勤や通所ができないかもしれないという不安を抱えながらも、低い目標をクリアすることに集中します。その後のことは、その小さな目標を達成してから考えるようにしています。

段階的に進む

いきなり高い目標を設定すると、それがストレスとなり、不調の期間を長引かせてしまうことがあります。そのため、低い目標をクリアしてから次のステップに進むという段階的なアプローチが重要です。

最初の目標は「取り敢えず出勤する」ことに設定します。その目標を達成したら、次は「出勤して短時間でも仕事をする」ことにします。

少しずつステップを上げていくことで、プレッシャーを減らし、メンタルの安定を図ることができます。

成功事例から学ぶ

成功している当事者の方々の声や経験は、支援員にとっても貴重な学びの機会です。彼らの実践している方法を取り入れることで、支援の質を高めることもできます。

それらを参考にし、支援員としてのアプローチに取り入れることで、利用者のメンタルヘルスをより良い方向へ導くことができます。

実践への応用

あなたが支援員の場合、支援の現場で、どのように実践するかについても触れておきます。

出勤や通所を支援する際のポイント

メンタルが不調な利用者に対しては、「とりあえず来るだけでいい」と伝えることが重要です。

出勤や通所が困難な場合でも、まずそれだけで十分であると励まします。「来るだけで大きな一歩だ」とポジティブに認識してもらうようにしましょう。

このような低い目標を設定することで、利用者が感じるプレッシャーを軽減し、達成感を得やすくなります。

小さな成功を積み重ねることで、徐々に自信を取り戻し、次のステップに進む準備が整います。

小さな成功を積み重ねる

支援員としては、利用者が完璧を求めるのではなく、小さな成功を重ねていくことをサポートする姿勢が求められます。

例えば、「今日はここまでできた」「一歩前進した」というように、日々の小さな達成を認め、褒めることが重要です。

このように、小さな成功体験を積み重ねることで、利用者の自己肯定感を高め、メンタルヘルスの安定を図ることができます。

支援員としては、この過程をしっかりとサポートし、利用者が安心して前進できる環境を整えることが求められます。

まとめ

低い目標を設定し、段階的に前進することは勤怠の安定や訓練の安定にとても重要です。

完璧を求めず、小さな成功を積み重ねることで、成功への道を歩むことができます。

成功している当事者の方々の声を参考にし、彼らの経験から学びながら、一歩ずつ成長することが大切です。また、支援員としては、利用者さんが安心して取り組める環境を整え、利用者さんの成長を温かく見守ることが、大切な役割です。

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