放送大学での学び、面接授業など

2024年1学期単位認定試験が終了した。
放送大学に在学してから2学期目、というのが正しい表現なのか分からないが、はじめて面接授業を受けた。2日間学習センターで朝から夕方までみっちり。長時間座って授業を受けるのなんていつぶりだったろうか。

選んだ授業は、「18世紀フランスの奢侈論争」。入学式に参加したときに学習センターの教員紹介で興味を持った先生だった。専門分野についてかなり熱の入った紹介をされており、それが現代にも通ずる部分があるとのこと。専門知識が全くない自分だったが、あの熱量があったから授業を受けてみたいと思えた。すごく単純なのだけど・・・。

ほかに授業を受けている人の中には、歴史にかなり詳しそうな男性たちが多い印象だった。次の授業で質疑応答の時間が設けられ、大体そういった人たちが詳しく質問している。せっかくなので、自分も何か先生に聞いてみたいと思ったがどの程度のレベルの質問をしているのか、など変に考えてしまって1日目は質問できず。
2日目で、いったん自分が疑問を抱いたことを質問することができた。
聞きたかったのは、近代フランスの平民の生活のこと。
フランスでは階級が存在し、それぞれで生活の程度が変わっていること、全体の人口で平民が一番多いにもかかわらず、かなり厳しい生活を強いられていることが問題とされてきた。富の不平等によって世の中が悪くなる、といった平民に寄り添った考えも本となって出回っていたが、平民は高価な本を手に取ることは難しかったのではないか。当事者であるのに蚊帳の外だったのか。など、色々自分の中で疑問点が出てきたのだが、結局どういったことを聞きたいのか抽象的になりそうだったので、かなり要約して聞いた記憶がある。

(ここで少し恐れたのが、シンプルすぎる質問をすることで「そうです」終わり。みたいなあっさりした返事をもらうのではないか、ということで、せっかく先生に聞くのだから、質問の内容も長ったらしくまとまりがなくても伝えるだけ伝えた方がいいのか、と悩んでいた。)

結果、自分の中で燻ぶらせてよくわからないままにするよりずっと良い経験になった。当時識字率が低い時代で民衆の意思や考えを知る手立ては少ないそうだ。ただ、間接的に読み解くことはできるとのことで、どんどん興味深いエピソードが出てきた。やっぱり専門分野の先生はすごい。知識の量がえげつなかった。
中学や高校の教科書で読んだ歴史は、ただ文章を目で追っただけで、その細部は全くわかっていなかったし、その時の情景なんて頭に浮かべたりもしなかった。それが今回先生の話でぐっと解像度が上がった感じがする。いままでは無機質な学び方をしていたと反省。

2日間立て続けに話を聞くのは大変ではあったが、絶対に受けて良かったと思えた授業だった。面接授業は自宅で自主的に学ぶより断然知識の提供が多い。次の学期も興味があるものがあれば受けてみたい。

そして単位認定試験だが、今回は「暮らしに活かす不動産学」「経営学入門」の2教科。
明らかに勉強の時間が足りなかった。序盤はそこまでではないが、後半体調を崩したり学習計画がうまく進められていなかった。少しやっつけになってしまったのが残念。特に不動産学は実生活に身になる話なので、見返す時間を設けて、継続して覚えていければいいと思う。

こちらは閉講してしまったが、「人間にとって貧困とは何か」も教科書だけ購入した。かなり評判の良い授業だったそうなので、次の学期がはじまるまで読んでみたい。
社会人学生になって、学ぶことは世の中に関心を持つきっかけになっていると思う。7月の都知事選など、選挙にあまり意欲的ではなかった自分も政治を勉強してみたいと思えた。知識があることで気づくこと、これからどうした方がいいかなど道筋を立てやすくなる。SNSでは多くの意見が飛び交い何が正しい情報なのか、混乱することが多くなった。
知らないことで自分の立場が脅かされたり、取返しのつかないことになってしまうのは怖い。それを踏まえて、自分の選択や、何を正しいと思うか、なるべく後悔することがないようにしたい。


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