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野球場の記憶 その2

長嶋監督の不幸は、長嶋がいない巨人を率いること。
その巨人に代わって、赤いヘルメットが躍動した。
そして、その応援にトランペットでのコンバットマーチ。
まるで、高校野球の吹奏楽の応援を思わす賑やかさ。
コンバットマーチにのって赤ヘル軍団広島が
球団創設以来初の優勝を飾った。
赤ヘルの躍進以上に衝撃を与えたのが、
トランペットでの応援。
各チームの応援団が、競うように鳴り物を
使った応援をするようになった。

風船を飛ばしたり、声だけでなく叩いて音の出るメガホン。
選手のレプリカユニフォームやマフラータオルの登場で、
スタンドは、音も色も賑やかになった。

そして、人工芝、ドーム球場登場で野球場は、リアル野球盤となった。
雨天中止の心配もなく、空調の効いたドームで
快適な空間を選手も観客も手に入れた。
電光掲示と大きなビジョン。
球場内のカメラが捉えたさまざまな映像が流れる。
DJの軽妙なおしゃべりと音楽。
チアリーダーや球団や球場のマスコットが登場して
意図的な盛り上がる演出ができるようになった。

ベンチから飛び交う選手や監督の声。
剛球を受け止めるミットの音たちが喧騒の中でかき消されていった。

続きは、その3へ

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