彩羽真矢さんを推してます②

私は、初めて宝塚歌劇を観たのが1990年。
関西テレビで放送していた「花の指定席」という番組で雪組の「黄昏色のハーフムーン」という作品です。その後、月組の「川霧の橋/ルポワゾン」あたりから毎月の放送を欠かさず観ていました。

1992年の星組公演「白夜伝説」で劇場デビューをしました。
しかし、2000年代に入って地方暮らしが長くなって、気軽に劇場に行けなかったり、観はじめた頃のスターさんが退団して行ったのも足が遠のいていきました。
ホントに好きな作品の再演（ミーマイやエリザ）や、全国ツアーで近くに来た時だけチケット取れたら行くということ状態が15年くらい続いていました。
そんな中、2022年に大阪に転勤になり、大劇場通いが復活！

ほとんどの出演者が分からないところからの再出発です。
過去、宝塚ファンとしてのスタンスは全組観劇、作品主軸で観て、特定のご贔屓は持たない（みんな大好き）だったのに、ご贔屓様にも巡り合ってしまいました。（まもなく退団します 涙 ）
決まってるわけではないですが、「推し」のことを宝塚ではご贔屓様と呼ぶ方が多いです。

ご贔屓様や、その相手役の方の過去作品を見ていく中で、すでに退団された方も気になって…昔と違って今はネットを使うといろんなことが調べられるのがいいですね。
毎日、仕事終わって帰宅して色々な元トップスターや元スターの方のことを見てるうちに、ある方が検索結果に出るようになりました。

「彩羽真矢」

？？？？？？
改めて検索してみると、ほうほう！元男役！えっ！？研5で退団！？
研5とは研究科5年の略です。入団1年目が研究科1年＝研1です。2004年4月入団で退団は2008年5月。丸5年ではなく限りなく4年に近い5年目。

宝塚では男役10年という言葉があります。なにしろ女性が男役をするわけです。10年経ってようやく男役としてスタートラインに立つような感じですね。
娘役の場合はかなり早い（1年目とか2年目）抜擢から役が付いたり、トントン拍子にトップスターの相手役としてトップ娘役になる場合はあります。

しかし、男役は妖精的な役や女役として抜擢されることは時々ありますが、がっつりな男役として3年や4年で前に出てくることはほぼありません。
なので、チャミさんのこと最初に知った時は、注目されてたけど怪我や病気でやめられたのかな？とも思いました。

でも、実際は違ってました。ご本人が何度も言われてる、その他大勢のうちの一人として舞台に立って、そして退団されてました。

下級生だと、初めて芝居で役名が付いたり、初めてストーリーに絡んだり、ショーで初めて若手3人や5人で銀橋に出て歌う場面があったり、初めてトップコンビのデュエットダンスで影ソロしたり、いろいろな初めてで、ご本人もファンも喜ぶステップがあります。

でもチャミさん曰く、本公演で「坂本！覚悟！」と言ってトップと2番手を斬ったのが唯一のストーリーに絡んだこととのことで、晴れ舞台とはいうものの、それは役名のない、紗幕の向こうでのお芝居でした。
そして、それが退団を決める区切りになったともおっしゃってました。

宝塚時代のこと、チャミさん自身が過去動画でいろいろお話しされてます。
本当の気持ちはご本人にしか分かりませんが、夢を持って宝塚を目指して音楽学校に入り、入団をしたら当然、すごい人たちがいすぎて、いろいろなものが遥か遠くに見えてしまった、いや見えなくなってしまったのかもしれません。

宝塚大劇場や東京宝塚劇場で退団する時は千秋楽に退団のセレモニーがあります。
研5以上だと大階段の真ん中を一人で降りてきて、舞台のセンターでファンに挨拶ができます。
その挨拶は、例外なく、周りへの感謝とやり切った満足と明日からも頑張ると言ったことを話されます。

もちろん、大切なセレモニーです。
不本意でした！とか、もっとやりたかった！って言うのもちょっと違うと思います。
でも、小学生や中学生の時に宝塚を観て憧れたなら、1度はトップスターやトップスターの相手役を夢見なかったのかな？その気持ちは？って思ってました。

そこに、現れたのがチャミさんでした。
言葉は違うかもしれないけど、「辛かった」「悔しかった」という元タカラジェンヌを初めて見たのです。
なかなか衝撃でした。でも、すぐにわかったことがあります。
チャミさんは、宝塚のことを決して悪くいうことはありません。有る事無い事をペラペラしゃべったりもされない。
そして、人のせいにもしない。

宝塚の卒業生が芸能界に入る場合、自然と退団時の立ち位置がスタートラインです。
やはり仕事は上から（お客さんを呼べる順？）に入るように見えます。
その人が

「このまま死にたくねーんだよー！」

って言ってる…

えっ！よくわかんないけど、けど、この人が「生きてる」のを見ていたい。と思うようになりました。

また、長くなってしまいました。次回は、私の初生チャミさんなどを書いてみたいと思います。