「同じ河に二度入ることはできない」ヘラクレイトス。朝ジョギングしていて思った「人生は片道切符の循環だ」

紀元前540年前、ヘラクレイトスという人が「同じ河に二度入ることはできない」と言ったらしい。思うに、いま目の前に流れている河の水は流れ去り、まったく違う水になっている。河に入りじっとしていても移ろいでいる。同じところにいるようで一瞬たりとも同じではない。

人間の身体を河に喩えるなら、身体に入っては出ていく水分、空気、食べもの。一瞬たりとも同じ身体でいることはない。河も身体も循環しているが一回きりの一方通行で同じ状態は二度とない。一期一会である。

しかし、その河に何度も入ることはできる。たとえ河の水が全く違うものになっていたとしても。逆にその変化を楽しむことができる。河の水の温度、流れの強さ、水かさ、におい、色合い。身体が変化していても感じるものが違ってくる。

最近は循環という言葉をよく聞くが、それは同じことが起こっているんじゃなくて、似たようなことが繰り返されているように人間には見えているだけで、同じことは二度とない。全く違うことが起こっているともいえる。すべては一回きりである。

とはいえ一度きりしかない人生、この瞬間を大切にしなければいけないとも思わない。大切にしたいことを大切にすればいい。一度きりとかどうでもいい。すべては一度きりなんだから。
一期一会、二度と出会えないから特別なわけでもない。そんなことに囚われる必要はない。

同じ河に二度と入ることはできない。それを受け入れようが否定しようが関係はない。ただ二度と入ることができないだけだ。どんなにあなたが頑張ろうとも。

ことは起こりつづける。諸行無常。万物流転。息を止め足を踏ん張って立っていようとも起こりつづけ、過ぎ去っていく。

「同じ河に二度入ることはできない」そんな世界観で世界を眺めてみると、少し世界が愛おしくなるかも。

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