【太陽工機】2020.12期-本決算

【経営成績】

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★対前期で減収減益。65%、29%弱。国内自動車向け工作機械の受注減などをモロに食らった期。進行年度は回復基調?
★営業利益率は16.4%→7.3%と大幅ダウン。
★業績予想はかなり保守的。回復基調ならもう少し強気でもと思うが。対中関係悪化なども不安要素。営業利益率は4.2%見込み。5%を割ってしまう。

★営業CF

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★プラスで16億円の仕上がり。マージンは+22.9%でとても良いスコア。
★対前期で+7.2億円。マージンも+15%弱。内訳は以下の通り。

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★税引き前利益が▲12億円。売上債権の減少+12億円。利益の減少は売上債権回収でいってこい。
★棚卸資産減少で+5.1億円。他税金支払いで対前期+2.4億円
★これだけ調子の悪い企業からも、3.8億円も税金は分捕る税務署。

【財政状態】

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★自己資本比率 87.5%
★d/e Ratio 0.05倍。
★流動比率 971%
★ネットキャッシュが+23億円。対総資産比率32.4%
★キャッシュリッチ。財政基盤はかなりの安定。
★時価総額が71億円と小さいサイズ。キャッシュだけで27億円持っている会社なのだけれども。

【各経営指標】

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★ROE, ROA, ROICともにちと物足りないか。
 →キャッシュがそれなりに厚いので。こんな不安定な時節柄、多少スコアを犠牲にしても厚いキャッシュを持っているほうが賢明でしょう。こんな時期に変な投資をして大切なキャッシュを失う経営ではないということ。
★それでもPER20.6倍とそれほどの割高感はない。PBRは1.1倍と安い。
 →グレアム指数が22.8倍と高くはないだろう。
★EV / EBITDAが7.4倍と安い。
★FCFは+16.9億円。FCFマージンは28.2%とかなり高い。キャッシュはフローもストックもかなり安定しており、好印象である。
★配当利回りも2.5%とまあまあの水準。配当性向が異様に高い。ここまで配当出す必要あるのか。

【総括】

コロナ禍ド直撃。営業利益率が大幅ダウンしたが、営業CFマージンはむしろ大幅に改善している。FCFも。要はキャッシュさえあれば、損益などある意味どうでもいい。
それにしても、業績予想が弱気。工作機械関連は進行年度では改善傾向になると見積もりながらも、これだけ気弱な数字。大言壮語を吹く変な経営者よりはよほどマシなのだが。ある種謙遜の美学なのかもしれない。期中における上方修正などを期待。
財政状態は引き続き安定。特にネットキャッシュで23億円(対総資産比率32%超)も持っており、かなりリッチ。むしろ平時なら持ちすぎなくらいである。ただ、こんな未曾有の経済危機下ではあるので、キャッシュを厚めに持っておくほうが好感度は高い。変な投資するよりマシ。太陽光とか。クリーンエネルギーとか。
PBR1.1倍。EV/EBITDAが7.4倍と割安に放置。もう少し評価されてもいいかと個人的には感じるところ。投資は自己責任で。

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