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経路依存性と日常生活

こんにちは。毎日晩酌をしている父はアルコール依存症なのでは?と不安になってきたたむです。

今回は経路依存性について話をしていきたいと思います。
経営史の授業でこの話をしていて、常識とされているものって経路依存性が影響しているんじゃないかと思い調べてみました。

経路依存性とは?

「経路依存性」とは、経済学用語として開発された理論で、過去の経緯や歴史によって決められた仕組みや出来事にしばられる現象のことをいいます。個人も組織も、過去に行った意思決定によって制約を受ける傾向があります。人は一度慣れ親しんだものを変えることにストレスを感じやすく、ある状況で下された決定が、後に状況が変わっていたとしても効力を及ぼすことがあります。

経路依存症とは――意味と例、過去の慣習にとらわれないために - 『日本の人事部』

要するに今現在浸透している制度や技術はそれが必ずしも最適であるから選ばれているわけではなく、偶然や人為的な介入の結果浸透しただけであるという現象のことです。

QWERTY型キーボード配列

経路依存性の有名な例としてほとんどのPCで採用されているキーボード配列であるQWERTY配列があります。

QWERTY配列は1872年に新聞記者であったクリストファー・レイサム・ショールズによって考案されたとされています。
この配列はタイプライターで文字を入力するときになるべく早く打てるように考えられましたが、決して理論上最速というわけではありません。

タイプライターはハンコのようなもので物理的に文字を印字するため、早く打て過ぎてしまうと内部が故障する可能性がありました。そのためあえて打ちにくい配列に設定されていると言われています。

しかしこれはタイプライターでの話でコンピューターが広く浸透した現代ではあえて遅くする必要性が一切ありません。
この問題点を解消するためDvorak配列というより理論上優位な配列が誕生しました。この配列は従来のものよりも素早く打つことに適しており、実際にタイピングの世界チャンピオンはDvorak配列を使用していました。

大きな利点があるにも関わらず現代のキーボードのほとんどが、難点のあるQWERTY配列を採用しています。

その大きな要因はタイミングです。

先にQWERTY配列が浸透し、それに慣れてしまった人たちが新たにDvorak配列を覚えるのが手間だったためにQWERTY配列を使い続けました。その結果として優れているはずのDvorak配列は廃れ、現代もほぼすべてのキーボードがQWERTY配列になっています。

このように歴史的な背景により時代が変わった今でも技術的に劣るものが採用されていることが経路依存性です。

経路依存性と生活

身近なところにもこの経路依存性は存在しています。
例えば

・FAX
・オンラインでも質が落ちない授業の対面授業
・エスカレーターで片側に寄る
・ハンコ
・出されたお茶は飲み干さないなどのよくわからないビジネスマナー

などなど本当にいい方法は何か考えることをやめ、習慣によって継続しているものが数多く存在します。
高校を卒業したら大学に行った方が良いというようなものも、情報技術が発達した現代では必ずしもそうとは限らず、むしろ大学に行かずに4年間自分の成長につながることをしたほうが良いことも多いので、経路依存性と言ってもいいのかもしれません。

経路依存性があることで効率的な業務や成長を阻害します。
この経路依存性から脱却するためには圧倒的な合理性と信念が必要です。論理的に物事を考え、社会を良くするためにはこれしかないんだ!と信じることでどんな反論にも相対することができます。

経路依存性に負けてしまっているものは合理性を社会に伝えきれなかったのではないかと思います。もしエレベーターの片側に乗り続け重さが偏り、故障し多くの死者が出たとしたらエレベーターの片側に乗ることが合理的ではないと皆が気づきその慣習はなくなることでしょう。

まとめ

今回は経路依存性の説明と自分が考えるその脱却方法についてまとめました。歴史がかなり自分の生活に影響していることを知り、歴史を学ぶことに楽しさを見出すことができました。

読んでいただきありがとうございました。ではまた!






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