『ホワイトマジック』解説年間講座 第1回レポート(後編)
今日は『ホワイトマジック』解説年間講座 第1回のレポート後編を書きます。
前編でも書きましたが、『ホワイトマジック』という本には「序文」として約60ページが割かれています。
はじめに本の内容に関する基本的概念や前提などが書かれており、続いて本を読む上での基本的な知識となる「人間の三様相」についての説明があります。
序文~3つの基本概念~
この本の内容を学ぶにあたっての基本概念が初めに述べられています。
1.学ぶ人にとって最重要なのは、教師のパーソナリティではなく、内容が真理を表現しているか。そして真理と虚偽を識別する学ぶ人自身の能力。
2.秘教の教えを得ることで、現世的な責任もまた重くなること。正しく自己評価をし、真理の活用を通して意識の拡大を図る。
3.選んだ道に固執し、困難を克服する忍耐力を身につけ、ハイラーキーに協力。参入し、それによって周囲に変化を生む。
2に書いてある、「秘教の教えを得ることで、現世的な責任もまた重くなる。」というの、怖いですよね。秘教の知識を得たからには、それを世のため人のために活用する責任が生じるぜよ、ということですよね。プレッシャー!
序文の最初からハードルを設けてくるとは。この基本概念に同意できた人は続きを読んでいいよ、ということですね。
魂の魔術
「これから私たちが考察するテーマは魂の魔術である」と書かれています。
そして、この本に出てくるものすべての根底にある鍵になる思想は『バガヴァッド・ギータ』に書かれている次のような言葉に見られるはずである、とのことです。
永久不滅の魂である我は誕生することはない。諸々の存在の主ではあるが、我が性質を凌ぐ主がなすごとく、我は魂の魔術的な力によって顕現する。(『バガヴァッド・ギータ』第4章6節)
魂との接触と魂の顕現をよりうまく進めるための「実践的な魔術師」になる方法を『ホワイトマジック』では教えてくれるようです。
4つの基本的前提
この本においては下記の4つの基本的な前提に基づいて述べていくとのこと。
1.メンタル的、アストラル的な心理学とは異なる霊的な心理学の法則を示すこと。
2.人間の魂の性質、そして人間と太陽系や宇宙との関係を明瞭にすること。その準備段階として魂がグループとしてどのような関係にあるかについても述べていく。
3.自己と自己が用いる鞘との関係を明解に説明することで、人間の構造に関する一般の人々の考えを明瞭にすること。
4.超常的な能力という問題について詳しく述べ、それらを安全かつ有効に発達させるための規定を与えること。
「霊的な心理学」とか「宇宙との関係」とか「人間の構造」とか「超常的な能力」とか、興味深いワードが並びますね(私だけ?)。これらを明瞭に説明してくれるそうなので楽しみですね。
3のところに書いてある「自己が用いる鞘」のところですが、「自己」は魂のことですね。「鞘」はサンスクリット語でコーシャ、器のことです。魂の器、すなわち3次元世界で魂の器になっているコーザル体・メンタル体・アストラル体・エーテル体・肉体のことを指しています。
3タイプの読者
この本は下記の3つのタイプの人に向けて書かれているそうです。
1.心の開いた研究者たち =知的(メンタル的)な人たち
2.熱誠家と弟子たち =魂とつながりつつある人たち
3.イニシエートたち =モナドとも接続しつつある人たち
1の人たちは結局は不可知論者(認識できないものは存在しないものとする)ではあるのですが、真理を追究する上で仮説としてこの本の内容を進んで受け入れようとする心の開いた研究者たちとのことです。
そんな研究者は多くない気がしますけどね。
2の「熱誠家」とは魂の存在に気づき、その方向に向かい始めた人のことを言います。
「弟子」は「見習いの弟子」→「受け入れられた弟子」という段階がありますが、「受け入れられた弟子」になると大師に認められて直接指導を受けられるようになります。
第3イニシエーションを受けると「イニシエート」になります。常に魂と繋がることができる段階です。
第5イニシエーションを受けると「大師(ハイラーキー)」となり人間を卒業します。
『ホワイトマジック』の読者層(?)としては、2の熱誠家が人数的には圧倒的に多そうですね。
4つの基本公理
この本は4つの基本公理に基づいて書かれているとのこと。
(まだ前提があるんかい!と思うでしょうが、これで最後です。)
1.私たちの顕現宇宙には一なるエネルギー(生命)の表現が存在し、それが様々な形態が構成するハイラーキーを生み出す。
2.1から派生するもので、一なる生命が物質を通して顕現することで、意識~魂という第三の要因を生み出す。
3.生命が形態をまとう目的と顕現した存在の目的は意識の開花つまり魂の啓示である(光の進化の理論)
4.すべての生命は周期的に顕現する(再生誕つまり輪廻転生の理論であり、周期性の法則を実証するものである。
「公理」という言葉を調べると「その理論の出発点として、論証ぬきで真だと仮定し、他の命題の前提とする根本命題。」とありますので、ここに述べられている4つは真であるという前提でこの本は書かれているということになります。
人間の三様相
「序文」には以上のような前提が長々と書かれた後、「人間の三様相」の説明が続きます。
この部分だけで神尾先生の講座になっているくらいですので、ここで簡単に説明するのは難しいです。いずれピックアップして書いてみようと思いますが、今日は『ホワイトマジック』を読んでいく上でのエッセンスのみ取り出してみます。
まず、「三様相」がなにかと言うと、さまざまな存在や事象を3つに分けて関係づけることを言います。
分かりやすい例だと、「過去」-「現在」-「未来」など。
インドの三神一体(ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァ)や、キリスト教の三位一体(父と子と聖霊)でも、三つ組みの思想、一なるものから三が生まれるという考え方が見られます。
そして『ホワイトマジック』の序文でも、「人間の構造は基本的に三重である」として、下記のような3様相が紹介されています(一部です)。
有機組織:エネルギー・神経系・肉体
エネルギー:脳・心臓・呼吸器
神経系:神経中枢・神経線維・知覚器官
神経系:脳脊髄系・知覚神経系・抹消神経系
肉体:皮膚・筋肉・骨格
これを見ても分かるように、3つに分かれたものが更に3つに分かれたりしています。見る断面によってさまざまな3様相がありそうですね。
小さなものから大きなものまで♪
「人よ、汝を知れ」という言葉に表れているように、宇宙の仕組みや神について知りたかったら自分自身を理解することから始めれば良いようです。
なぜなら、宇宙の発展過程と宇宙原理の性質は、人間の様々な機能と構造と様々な特性の中に示されているからです。
人間はまだ、霊と魂と体の三重性を理解するには至っていないが、それらの関係と機能についての理解を深めれば、すなわち、肉体に備わっている機能の側面から人間を考察することによって、真理に近づくことができるということです。
自身の中に三様相を認識する→周囲のすべての形態に三様相を見る→自分自身の三様相を他の神聖な顕現形態の同様の様相と関連付ける
このような手順で学んでいけば良いようです。
このように、すべての自然王国に対して統一性を感じられるようになると、急速に同胞愛に芽生えることもできるようです。
肉体の肝臓、肺、心臓などの器官はその存在と機能は別であるけれど、肉体全体を走り廻る神経系によって統一され結ばれているように、世界においても自然王国のような有機体は、その生命と機能は別々であるけれど、その根底にある意識、すべてのものの魂である知覚系統によってお互いに結び付けられ統合している、ということですね。
なんだか急に世界が優しいものになる気がしますよね。
という感じで、『ホワイトマジック』解読年間講座の第1回目では、『ホワイトマジック』を学ぶ上での心構えや目的をしっかり学習できた気がします。
次回からいよいよ本文に突入です!
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