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コンセプト

資本主義の日本ではあるが、全てのビジネスが利益のみを追求しているかというとそれは違う。サービスとトレードできる紙幣は素晴らしい発明だが、人に必要な「承認」や「成長」は金では買えない。誰もがアート性(アウトプット)と社会性(人に役に立つことで得られる承認)とゲーム性(困難に立ち向かうことで成長していく実感)の中でバランスをみて、ビジネスを行っている。

飲食店は、町のインフラであると同時に作品でもある。その作品たらしめているものが「コンセプト」だ。ここでいうコンセプトは、骨に近い、血の味を感じるもの。その人に歩んできた人生から滲み出る問題提起そのものだ。

Typica Inokashiraのコンセプトは「ストーリーを楽しむ」だ。最終的に提供された完成品のみを消費する現代の風潮に対し、その裏にあるストーリー丸ごと楽しんでほしいという思いから本店をスタートする。何気なく口にするコーヒー、ワイン、スイーツは、消費者の手元に至るまでバトンを繋いできた多くの人々の協力あっての賜物だ。

ただの味覚体験に終始するのではなく、1本の映画のようにそのエンドロールに至るまでのストーリーを含めて演出するべきなのではないか、という問題提起を本店を通じて皆様にお届けしたい。

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