それでもいいのです

【詩】

 

それでもいいのです
その沈黙が語る言葉に耳を傾け
わたしはいつかの野にあって
若紫の花を眺めます

暮れなずむ空一筋の
茜に引かれたその白線を追い
あなたはいつも西を向いて
片雲のようそこに在ります

それでもいいのです
街角ショーウィンドウに気持ち映し
自分を象る姿が独りでに
うらはらな時過ごしても

また暮れなずむ空今日も
欠けてゆく月にやはりわたしも
いつかの野にあり西を向く
語る言葉を持たなくても
それでもいいのです

 

tamito

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