何気ない毎日に

【詩】

 

何気ない毎日に
一つ喜び、一つ憂いて
明け方の雲が東へと向かい
暮れる空にあしたを占う

誰かの気持ちに
一つ喜び、一つ憂いて
独りである生を噛みしめ
街の灯を数えて歩く

命のゆくえに
一つ喜び、一つ憂いて
流す涙に名前もつけず
胸の奥古い抽斗にしまう

糧を得る営みに
一つ喜び、一つ憂いて
懸命に耕す野を眺め
また何気ない毎日に在る

 

tamito

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