立つんだ、ジョー

【散文】


少年院から出所したジョーにドヤ街の人たちが歓迎の宴を催す。

ジョーは生まれて初めて人の温かさに触れ、宴会の騒がしさの隅で膝を抱える。

そして決意する。

涙橋を逆に渡って、<明日>を掴みに行こうと。


「あしたのジョー」で一番好きな場面。

ジョーの荒んだ心が初めて溶かされる瞬間だ。


おっちゃんが言う。

「<明日>は、今日を精一杯生きた者にしかやってこない」

本当に、その通りだと思う。


tamito

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