長い旅をしている

【詩】

長い旅をしている

長い長い旅をしている

草原には錆びた自転車が雨に濡れ

砂漠にはきれいな骨が無数にころがる

大洋を渡る船から見る月夜の鯨

北限の白夜を彩るオーロラ

自然を脅威とする人がいて

自然と共に生きる人がいて

利をめぐる終わることなき争い

義を語る言葉の不確かさ

手にしたものが指の隙間からこぼれ落ち

つないだ線は振り返ればかすんでいる

高い山のその先にあるものを求め

となりにある手の確かさに気づかず

道を歩き道なき道を歩いて

わたしはそしてあなたは

いまどこに立っているのか

tamito

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