夜行列車

【詩】

 

二つの異なる夜行列車に乗って
長い旅を続けている

月が満ちる真夜中には交差して
まれに同じ駅に停車する

でも隣の軌道に並ぶ車両の窓に
もうひとりの僕の姿はない

だからもう僕は期待することをやめ
ひとりを自覚して旅を続ける

もうひとりの僕と会うことはない
ただ異なる列車に座る彼を感じるだけだ

 

tamito

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