うろうろと

【詩】

 

まだこんなところでうろうろと

いつまでもうろうろとしています

桜が散りハナミヅキからツツジへと

季節は目まぐるしく変わっても

わたしの歩みは追いつかないのです

昨日から今日へと確かに一周するのです

朝方、目覚めると日は昇るのです

夕方、西の空が茜色に染まるのです

でも、わたしはまだ昼にもたどり着かずに

堤防に座り川の流れを見ているのです

街の喧騒は早送りの映像のようで

電車のなかは椅子取りゲームのようで

どこへも行きたくないのです

だからこうしてうろうろと

いつまでもどこにもたどり着けずに

この堤防あたりにいるのです

うろうろとうろうろと

うろうろとうろうろと

 

tamito

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