着地点

【詩】

 

人と人との間にどんな
着地点があるのだろう

何気ない出会いの点が
時のなかで線となって

意味ある形を成しては
心のなか部屋をつくる

道は交わり離れてふと
立ち止まり振りかえる

そして長い線の向こう
その点の理由を考える

人と人との間にどんな
着地点があるのだろう

朝の雪道に足跡をつけ
でも濡れた靴は乾いて

車の轍いく筋も交差し
溶けた雪水流れてゆく

形あるもの壊れてまた
胸の奥に溜まってく澱

止まらない時のなかで
線の在りか探している

人と人との間にどんな
着地点があるのだろう

泣いたり笑ったりふと
押し黙っては触れあう

形を成しては壊れてく
春には雪溶けるように

やがて花が咲き見あげ
つかの間息をついては

また線を引き歩き出す
昨日と明日をつないで

 

tamito

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