道の上

【詩】


闇雲に歩きまわり見つからなかった

見いだした光のかけらは反射だった

自らの足跡をたどる旅の繰り返しも

同じ風に出遭わず残像は逃げてゆく

探していたものの輪郭さえつかめず

自分に似た誰かと街ですれ違いざま

その放たれる光に束の間荷を降ろす

ショーウィンドウに映るくたびれた

未来の自分が過去の自分に語る声が

現在の自分を通り越してつんぼ桟敷

自分だけの光を人は無意識に抱える

光を失った者が吹き溜まりから言う

光源は意思だと意思は大義だと言う

大義なき世に真の大義を探すために

心持ち視線を上げてさまよう道の上


tamito

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