くだらない傘を捨てて

【詩】

誰だって思う世界を救いたいと

大義を貫くため闘いたいと

でも時代が違うでも立場が許さないでも

でもでもでも、でもってなんだろう

雨が降れば傘をさす

傘をささない者をひとはわらうだろう

日が射せば空を仰ぐ

うつむいている者をひとは訝しむだろう

安心とは並列だろうか

熱意は並列たりえないだろうか

この街を全力で走れば止められる

それは剥き身の刃を持つに等しい

僕たちは解き放つときをしらず

解き放つべき存在をしらず

折り重なる歳を薄く引き伸ばしてばかりいる

燃えかすのような心の澱がふつふつと

出口を探して涙を流している

くだらない傘を捨て

くだらない傘を捨てて

tamito

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