吹き溜まりの者たち
【詩】
吹き溜まりにいる僕らは実に
実に正直に今日を生きている
思い悩み逡巡しては足を止め
微かなひかりに希望見いだし
上手に世を渡る術など持たず
とにかく足を使い前へと進む
がむしゃらにただひたむきに
できる限り人に迷惑をかけず
正しい道を歩きたいと考える
吹き溜まりの者たちを指さし
おかしくもないのに笑う人は
驚くほどにこの世界にはいる
指をさし笑わなければ自分も
吹き溜まりの者だと思われる
そんなつまらぬ理由で指さす
世界は吹き溜まりの者たちと
指さす者たちで大半を占める
それを正そうとする者の声は
あまりにも小さく雑踏に紛れ
巨大な通風孔に吸い込まれる
この構図は長らく世に蔓延り
そして永遠に続くかのごとく
残酷なまでに支配的だ僕らは
武器を持たない僕らはいかに
自分を保つかで精一杯なんだ
tamito
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#詩
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