いつかの背中

【詩】


届かない追いつかない掴めない

逞しい背中が小さくなってゆく

僕は例の魔法にかかったように

光のなかで若く幼く縮んでゆく

これは夢だと手足をバタつかせ

体を左右に揺らしてもがいても

その光の外側へは逃れられない

とぼとぼ歩く5歳の僕はいつか

あの背中を置き去り抜き去りて

全力疾走ゴールラインを越える

躍動する肢体を追う者に見せて


tamito

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#詩

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