月曜の道行き
【詩】
時に落ちこぼれていつだって
見知らぬ街並みを走っている
日曜の穏やかな賑わいのなか
月曜の忙しないスーツのなか
在りようは変わらず心閉ざし
いまに追いつくことだけ考え
彼は名もなき道を走っている
ひと月以上続く電車の遅延に
彼女は堪えている満員の車両
溜まるストレスに蝕まれる心
だけどつり革にゆられ窓の外
グレイスケール176に均一な
くもり空のさきに視線を送り
ハルシュタットの畔を眺める
どこかで見たような誰かの姿
いつかの鏡のなかに重ねては
小さなデバイスに書き連ねる
僕の内と外との曖昧な境界に
ふと時や距離が紛れ込んでは
足を止め思考を止めるそんな
ありふれた日々月曜の道行き
tamito
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#詩
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