誰かの声がさびしくて

【詩】

 

誰かの声がさびしくて
月の裏側覗いています

誰かの影がかなしくて
光の在処探しています

街を歩けばつまずいて
立ち止まっては迷惑で

置場求めているのです
笑顔求めているのです

誰かの声がくたびれて
穏やかな音を集めます

誰かの影がつらそうで
夜の静寂をまといます

座りこんでは涙を流し
立ちあがっては俯いて

捨場求めているのです
笑顔求めているのです

いつでも春の少し前で
いつでも冬の後ろ姿に

さびしくてかなしくて
くたびれてつらそうで

向こうの岸に声かけて
向こうの岸が眩しくて

誰かの声がさびしくて
光を探しているのです

 

tamito

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#詩

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