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日米開戦を巡る黒い空気

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#軍人勅諭

日米開戦をめぐる「黒い空気」 (菊澤研宗「指導者の不条理」から)

菊澤研宗「指導者の不条理」から そして日米開戦の場合に言及する。 ここで菊澤氏は不条理の説明に入る 日本にとって存亡の危機となった開戦の決定。 国として合理的な決定ができなかったことは、陸軍、海軍の損得計算に帰着するのは痛恨の極みである。 問題は、国の重大な決定の場に陸軍と海軍の意をくむ人間しかいなかったことだ。 いつの間にか、国の立場を第一に考えられる人物が、重要な場からいなくなってしまったことが敗因だ。

「戦時期日本の精神史」鶴見俊輔:天皇中心は条件反射

明治の設計者たちが、西洋のキリスト教を範に、天皇中心の国家宗教を採用した話は、このブログの明治憲法の話で取り上げた。 今回は鶴見俊輔氏が1979年にカナダの大学で語られたものを取り上げたい。 鶴見氏は大正11年(1922年)生まれで、まさに戦時期の日本を目のあたりにしており、それに戦後30年経過して外国で発信しているものだ。 そして具体的にはどのように徹底されたのか。 そして神政政治の部分と正面から向き合わなければならない時がくる。 1929年の世界恐慌のもと、それから