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ハワイの伝統航海カヌーHōkūleʻaの世界一周航海 Mālama Honua World Wide Voyage

 コンパスや六分儀、海図などの近代的な航海計器を使わず、星や波や風そして海鳥や海洋生物など、自然の力だけを頼りに大海原を航海するハワイの伝統航海カヌーHōkūleʻa(ホクレア)は、1975年に進水してから、1976年のタヒチへの処女航海をはじめ、ポリネシア(ハワイとニュージーランドとイースター島を結んだ三角形の圏内に広がる地域)の島々、ミクロネシアそして、2007年には日本へとこれまでに数々の航海を成功させてきました。HōkūleʻaはWayfinding「道を見つける技」とも呼ばれる伝統航海術を用いて航海を続けることで、ハワイ人が失いかけていたハワイ人としての誇り、ハワイ文化への尊敬や感謝、そしてハワイ人としての生き方を取り戻すことに大きく貢献しただけでなく、ポリネシアを越えた太平洋の島々に航海カヌーの建造と航海文化復興の大きなきっかけをもたらしました。

 2014年5月末にHōkūleʻaとHōkūleʻaのシスターカヌーであるHikianalia(ヒキアナリア)は、”Mālama Honua−To care for our earth” (マーラマ ;いたわる、大切にする。ホヌア;地球)「地球をいたわる」というメッセージを掲げハワイ島のヒロから世界一周航海へと出航し、全航程約40,300海里、23の国と領土を訪問、約150の港に寄港という、約3年間の航海を経て2017年6月17日ホームであるハワイへと無事に帰還しました。そのホームカミングセレモニーでは、HōkūleʻaとHikianaliaだけではなくこの2隻のカヌーと共にタヒチから航海してきたタヒチアンカヌーFaʻafaete(ファッアファエテ)、マーシャル島からOkeanos(オケアノス)、ハワイ島からMakaliʻI(マカリイ)、マウイ島からMoʻokiha o piʻilani(モッオキハ・オ・ピイラニ)、カウアイ島からNāmāhoe(ナーマーホエ)、そしてオアフ島からはコアの大木で1995年に建造されたHawaiʻiloa(ハワイロア)、合計8隻のカヌーがオアフ島のマジックアイランドに集結。およそ5万人もの人々がその場に詰め掛けHōkūleʻaの帰還とカヌー達の集結を称えて熱い声援を送り8隻のカヌーとそのクルー達は盛大に歓迎されました。今、Hōkūleʻaはこの世界一周航海を支えてくれた地元ハワイの人々への感謝をこめてハワイの島々を巡る航海を続けています。Mahalo Hawaiʻi sailと題したこの航海はハワイの人々に、クルー自身がHōkūleʻaの世界一周航海での体験や、寄港した土地や人々から学んできたことを語り継いで行く旅でもあります。
 Hōkūleʻaの世界一周航海に私自身もクルーとしていくつかのレグ(区間)に参加しました。そこで体験したことをシェアしていくために、このnoteを始めましたので、時間があるときにでも読んで頂ければ嬉しいです。

 それでは、さっそく次回のnoteから、私の初めてのDeep sea voyage(遠洋航海)であるハワイ島ヒロからタヒチへの航海にHikianaliaのクルーとして乗船した時の体験を書いていきます。

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