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コロナな時期に思ったこと⑧

天狗のカードに泣かされる

自分の町を歩き回るのも、オンラインの飲み会や習い事するのも、畑仕事をするのも、パンを焼くのも、全ては、以前のように飛行機に乗って、ほいほいと他の国に移動できないからかもしれない。

お友達にカードリーディングをしてもらったら、「天狗」のカードが出た。「天狗は、風とともに、あちらからこちらへ移動するんだよ。まるで風のように。」と言われて、それだけで、涙がぽろぽろ出てきて止まらなかった。

それなりに、楽しんでいるんだよ。移動できない生活を。移動できないからこそできることを。だけど、そう聞いただけで、どこか遠くに行きたい本心がむき出しになって泣けてくる。ああ、毎日、騙し騙しやってきたのに。

どんなことがあっても、「大丈夫、遠くに行けば、立ち直れる」と思ってやってきて、実際、遠くに行けば立ち直れた。

何かを手に入れたら立ち直れる人や、何かを食べたら立ち直れる人や、何かを見たら立ち直れる人や、いろんなものが立ち直りを助けてくれるんだと思うのだけど、あたしは場所。どの場所かはその時々で違うけど、「よし、あそこに行こう」と思った場所に移動して、「ああ、ここまで来た」と思うとそれだけで、かなり上がる。行ったことのない場所も上がるけれど、思い出のある場所も上がる。

「遠くに行きたい」 そんなことを口に出したら、余計つらくなりそうで、怖くて言えなかった。でも、もう、ギブアップ。「遠くに行きたい」んだから仕方がない。天狗のカードに泣かされるくらい旅に出たい。困ったもんや。


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