昨日のこと。

昨日は、3ヶ月一緒に過ごした彼とお別れの日だった。お互いに預かっていた荷物を渡し合う日。

数日前に電話でわたしから別れを切り出したパターンなので、心はすっきりしていた。あとは荷物だけなのだと。

会ってみても、それはそれはあっけなかった。彼からは無印良品の紙袋(中サイズ)2袋分の服や化粧品を受け取って、わたしからは封筒に入ったカードキーのみ。「ありがとう。」とか「ごめんね。」とかを、こういう結果になってしまって、じゃなくて、荷物をまとめてくれて、という理由で伝えた。そしてすぐ車に戻った。うしろからも彼の家のドアが閉まる音がした。

やっぱり最後まで彼を好きな気持ちは戻ってこなかった。あれだけ素敵だと思っていた部分が、一度透けてしまうと、今度はすりガラスみたいによく見えなくなってしまった。あぁ、がっかり。でももうおしまい。忘れてしまおう。

家に帰って、袋の中身を見ると、荷物と一緒にたくあんと燻製チーズが入っていた。あわてて彼に電話して、ホワイトデーのお返しだと教えてもらい、今度は本当にありがとうと伝えた。お酒の好きなわたしへのお返し。700円くらいの安いチョコへのお返し。好きだと思ってたところ、そういうところなのだ。少しだけ3ヶ月ありがとうと思えた。最後の最後でホッとした。




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