世界が新しくなる年

Chihiro Sato-SchuhさんFacebookより

【世界が新しくなる年】

2023年が始まって、やはりどうも世界が変わったことに気がついた。日の出の頃から、太陽の光の澄み方が違う。空気の透明感が違う。

新年になると、何かしら新しい感じがあるのはいつものことなのだけれど、それにしても今年の始まりは、何かが違う。世界が新しく生まれ変わったかのような、そんな感じがする。

時間というものは一本の線ではなく、無数の線が束になっている螺旋のようなものだ。だから、どの線を見るかで、同じことでも違う物語が見えてくる。今日始まって365日で一回りするこの時間の螺旋は、始まりの時の波動で巡っていく。だから、年が始まったときには、どんなエネルギーで動いていく年なのかが、だいたい感じられるようになっている。

今日始まるこの時間の螺旋、2023年の365日は、世界が新しくなる年だ、と思った。

3年もの間、私たちはこれまでなかったような困難な時を過ごしてきた。次から次へと、ものすごい揺さぶりをかけられてきたようなものだった。それで私たちは、何とかバランスを保とうと、あらゆることを試し、使えるかぎりの力を使ってきた。その中には、これまで存在しないと思っていた力もたくさんあった。危機こそは発明の母なのだ。持っていなかったアイディアだって生まれてくるし、持っていなかった力だって出すことができる。

それはバランストレーニングのようなもので、私たちはもうどんな揺さぶりをかけられても、バランスを取り戻すだけの、柔軟性と根っこの強さ、軸の強さをついに獲得したのかもしれない。

新年が明けた今日の世界は、まるで柔軟にして強靭な表皮を取り戻した巨大な龍のようだ。この力が解放されてしまったからには、もう世界は少数の人間の思い通りにできるような脆弱なものではない。それは、自然の復元力で、自ずともともとの形を取り戻し、枠にはめようとするすべてのものを、己の柔軟性で跳ね飛ばしてしまうだろう。

去年2022年は、巨人が動き出す年だと新年に感じて、まったくその通りになったことを年末に確信した。去年は、コロナ規制に抗議するフリーダム・コンヴォイが都市を占拠するまで大きくなったかと思ったら、いきなりウクライナで戦争が始まった。どうしてそんなことになっているのかと思っているうち、隠されていた真相が次々と表に出てきて、実は世界銀行に与しないBRICS諸国が、ありとある陰湿な手段でいじめ抜かれていたことがわかった。その中で、ロシアを挑発するために、NATOがウクライナ軍を使って、ロシアと国境を接するウクライナ東部で無差別攻撃を行わせていたことがわかったのだ。

西側メディアはこうした背景が一切表に出ないように隠し通していたから、まるでロシアがある日とつぜんウクライナの領土を取り戻したくなって侵攻したかのように見えた。いずれにしても、西側メディアはそろってそういうイメージをこしらえようと、ありとあるインチキくさい画像で毎日の報道番組を埋めていた。しかしそうした表向きの物語の背後では、ロシアはBRICS諸国の独立をかけて戦い始め、西側からかけられていた制限を次々と跳ね飛ばし始めていたのだ。石油取引に関する米ドル優位を破り、本当に世界銀行に対抗できる国際金融ネットワークをこしらえてしまった。まさに巨人が動き出した年だった。

年末に、ロシアのプーチン大統領は、新年に向けてのスピーチで、ロシアの真なる独立を守るために戦う義務があると語っていた。西側エリートはウクライナを利用して、ロシアの弱体化と分裂を狙っている。このことをけっして許さないと、世界中の前ではっきりと言ったのだ。

ドイツの前首相アンゲラ・メルケルが、西側はミンスク合意を履行する気は最初からなかった、とあるインタビューで暴露したのが、状況を大きく変えた。2014年のマイダン革命のあとで、ウクライナ軍はウクライナ東部での無差別攻撃を始め、ウクライナ東部は独立を宣言した。ロシアはこのドンバス独立国に軍事援助する用意をしていたところで、停戦が申し入れられ、ミンスク合意が交わされたのだ。それでロシアは合意に従って軍を引き揚げたのだけれど、ウクライナは軍を引き揚げず、8年もの間無差別攻撃を続けた。そして今、ミンスク合意に関わった当時のドイツの首相のメルケルが、最初から合意を履行する気などなかった、と暴露したのだ。あれはロシアを止めるための空約束にすぎなかった。その間にウクライナの軍事力を強めて、ロシアを攻撃できるようにするためだったと。

アメリカの軍事専門家スコット・リッターは、そのことでこの頃ものすごく怒っている。アンゲラ・メルケルが大嘘つきだったから、もう外交的解決は不可能になった、これからウクライナ兵が何万人と犠牲になるだろうが、それはアンゲラ・メルケル、あんたのせいだ、ともはや怒りを隠さない様子で語っていた。

ロシアは約束したことは守るのだ。西側エリートにとっては、約束は駆け引きでしかない。そして、彼らはロシアが正直に約束を守ることを知っていて、そこにつけ込んでくるのだ。これまでも、ロシアは国際法を遵守して、市民を巻き添えにしないようにしていた。そこにつけ込んで、NATOはウクライナ軍に市街地から攻撃させていた。そうすれば、ロシア軍には手を出すのがとても難しくなるのを知っているからだ。

これまでも、支配の歴史では、つねにルール違反をした方が勝ってきた。相手の良心や信頼にズカズカとつけ込んで、掟破りの手を使うことで、相手を牽制し、勝利してきたのだ。人類の歴史は、この純然たる悪意というものに対して、どう対応するべきなのかを学ぶ経験だったと言ってもいいかもしれない。何度も繰り返し同じ手でやられながら、この状況に対する抵抗力を獲得しようとしてきたのじゃないかと。

そして、この2023年の始まりは、まるで世界がこの純然たる悪意を、己の復元力と柔軟性でついに跳ね飛ばす力を得たことを示しているかのようだ。それがまるで、脱皮して大きくなり、しなやかで強靭な皮を得た巨大な龍のように思える。

今の世界の状況は、いったいどうやったら収まるのかもさっぱりわからないくらいなのだけれど、しかし今年は、あるとも思っていなかった力が動いて、世界が新しく変わっていく年になるのだろう。これまでの発想で、何がどうなればとかいうことではなくて、単純に復元力が解放され、自ずと元の形に戻っていくような具合に、変わっていくのじゃないかという気がする。

私たちはこれまで、あまりに狂ったことを受け入れ続けてきたのだけれど、この抵抗力、この復元力が戻ってきたら、もう受け入れはしなくなるのだと思う。バランス感覚がしっかりしていて、柔軟性があったら、どんな攻撃もスルリとかわしてしまい、加えられた力は来たところへ戻っていく。そんな風にして、まるで世界が一皮むけていくように、新しくなっていき、当たり前のことが当たり前に通用する世界がついにできていくんじゃないかと思う。

***
画像は、森の家の庭からの風景。光の澄み方が何だか違う。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid0jMyZ5zsFJU8jqeags2ZArnGyQ4AyE7LozZLommt7LCCQgLAWKuoCvWHsPYxsHkLal&id=100000165488492