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映画感想

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2018年12月の記事一覧

「共犯者たち」:権力とジャーナリズム

2018年12月15日、はじめてポレポレ東中野を訪れた。 みたのは、「共犯者たち」。韓国の国家権力に対するジャーナリストたちの闘いを描いた韓国製のドキュメンタリー映画だ。 前日、堀潤さんのおすすめツイートを見て行くことを決意した。 李明博、朴槿恵政権の言論弾圧の実態を告発するドキュメンタリーで、チェ・スンホ監督自らが当時の関係者たちにインタビューする様子やストの様子が流れる。弾圧の対象となるメディア機関は、韓国の公共放送局KBSと公営放送局MBCだ。 参考:NHKよく

「まぼろしの市街戦」:現実を見つめる視線

第一次世界大戦をテーマにした、ユーモアと風刺とウィットに富んだ作品「まぼろしの市街戦」。フランスの名匠フィリップ・ド・ブロカ監督が、1967年に製作した映画だ。この4Kデジタル修復版をアップリンク渋谷で観てきた。 戦争の狂気や愚かしさを笑い飛ばすかのごとく、ユーモアを交えて描いた名作。第1次世界大戦末期、敗走中のドイツ軍が、占拠したフランスの小さな町に時限爆弾を仕かけて撤退。進撃するイギリス軍の兵士プランピックは、爆弾解除を命じられて町に潜入するが、住民たちも逃げ去った