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映画感想

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わたしのみた映画たち
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2018年10月の記事一覧

「寝ても、覚めても」:人生、不安定。

第一印象は、現実味のないマンガの世界の恋愛物語。 だけど、友人がこの映画の良さを熱く語ってくれて、監督やプロデューサーのインタビューなどもみて、後から見方が変わりました。 「寝ても覚めても」にまつわる論考等々を熟読した友人によれば、映画は東日本大震災の描写を盛り込み、ただの恋愛物語ではなく、人間やこの世界に普遍的な“不安定さ”を表現しているとのこと。 そういう視点から振り返ると、たしかにいろんな伏線が散りばめられていたように思います。 映画の本筋とは関係ないのですが、

「そして父になる」:遺伝子か時間か

10月5日、池袋の新文芸坐にて、是枝裕和監督の映画特集やっていたので「そして父になる」をみてきました。 よい映画でした。 号泣したときのために端っこに座っておいてよかったです。 子どもの取り違え問題を題材に、親子の関係や人間の人格形成について考えさせられる作品です。 全体を通して、「家族を家族たらしめるのは遺伝子か時間か……」そんな問いが巡っていました。 極端に言えば、自分を満たすためのひとつの道具のように息子をみる父親。息子に対する期待はあっても、そこに息子の存在そ