P・F・ドラッカー『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』を読んだ(ときのメモが出てきた)

2008年にP・F・ドラッカー『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』を読んだときの読書メモが出てきた。発掘編。いま読書メモを見返しても、「そうなんだよー」と思うことの多いことよ…。

働く者を取り巻く4つの大きな現実(p.72)
=仕事の成果をあげ、業績をあげることを妨げようと圧力をかけてくる現実

1. 時間はすべて他人にとられる
2. 自ら現実の状況を変えるための行動をとらないかぎり、日常業務に追われ続ける
3. 組織で働いているため、他の者が彼の貢献を利用してくれるときのみ成果をあげられる
4. 組織の内なる世界にいる。すべての成果は外の世界にある。組織の中にあるのは努力とコストだけ。

4つめ…。そうなんです、「組織の中にあるのは努力とコストだけ」、わかる。

成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにするところからスタートする。次に、時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして最後に、その結果得られた時間を大きくまとめる。すなわち、時間を記録し、管理し、まとめるという3つの段階が、成果をあげるための時間管理の基本となる。(p.119)

リーダーはカリスマ性でも資質でもなく、リーダーシップを仕事として見ることが大事、というのも納得。だから、マネージャーとプレイヤーは分けた方が楽だと思うのです(両方できる人ももちろんいるでしょうけど)

カリスマ性でも資質でもないとすると、リーダーとは何か。
リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。これこそ、カエサル(シーザー)、マッカーサー、モンゴメリー、GMを1920年から55年まで率いたアルフレッド・スローンなどのリーダーに共通することである。(p.184)
人に成果をあげさせるためには、「自分とうまくやっていけるか」を考えてはならない。「どのような貢献ができるか」を考えなければならない。特に人事では、一つの重要な分野における卓越性を求めなければならない。(p.191)

…というふうに、リーダーについてのいろいろが書かれているのですが、この本で一番好きなのは、ドラッカーが先生から問われた質問のこと。この質問、ときどき自分にしています。そうすると、奮起できるときもあるし、諦めがつくこともあるし、何かに取り組めることもあるし、何かを捨てられることもあります。

私が13歳のとき、宗教のすばらしい先生がいた。教室の中を歩きながら、「何によって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。先生は笑いながらこういった。「今答えられるとは思わない。でも、50歳になっても答えられなければ、人生を無駄にしたことになるよ」
長い年月が経って、私たちは60年ぶりの同窓会を開いた。あまりに久しぶりのことだったため、初めのうちは会話もぎこちなかった。するとひとりが、「フリーグラー牧師の質問のことを覚えているか」といった。みな覚えていた。そしてみな、40代になるまで意味がわからなかったが、その後、この質問のおかげで人生が変わったといった。
今日でも私は、この「何によって憶えられたいか」を自らに問い続けている。これは、自らの成長を促す問いである。なぜならば、自らを異なる人物、そうなりうる人物として見るよう仕向けられるからである。運のよい人は、フリーグラー牧師のような導き手によって、この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、一生を通じて自らに問い続けていくことができる。(p.234)

いい本だなあ、と思います。ドラッカー先生の本は、ときどき、読み返します。きっといま読み返せば、また何か所か新しく「おお!ここは!」と思う箇所があるのだろうな、と思います。

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