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”@earth” Peter Kennard

アートブック紹介、第2回目は
”@earth” Peter Kennard / 2011 TATE

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1回目がどメジャーどポップだったので、すこしマイナーな物を!と思って少し調べてみたら、Peter Kennardが、日本語のwikiにまとめられていないことがわかったので、マイナーなのかもと思い取り上げてみることにした

ピーター・ケイナードはイギリスの主に反戦をテーマにした政治色の強い作品を作るフォトモンタージュ(コラージュ)アーティスト
Royal College of Artで政治芸術教授も務めているらしい
反ベトナム戦争運動から活動をしているので、かれこれ50年以上のキャリアがあるアーティスト

彼の作品の特徴は、ビジュアル的にものすごくストレートかつシリアスな部分と、イギリス人らしいシニカルな表現じゃないだろうか
この本の中の作品だと、ピースマークが核ミサイルを破壊しているビジュアルは一見キャッチーだけど、メッセージ的にはかなりシリアスものだと思う
また、彼の作品には、あんまりテキストでのメッセージは出てこない
メッセージ性を強めたいのならば、Barbara Krugerのようなインパクトのあるグラフィックとタイポグラフィーで表現したほうが、より伝わりやすいように思えるのだが、あえてそれをしないというのが、僕的にはイギリス人っぽいシニカルさを感じる

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少し話がずれるんだけど、僕はそのイギリス人っぽいシニカルさが好きみたいで、モンティパイソンや(テリーギリアムはアメリカ人だけど)、そのうち紹介しようと思っているGee Vaucherや、初期のBANKSY、最近だとNetflixのBlackMirrorとか
「見ても意味が理解できないバカは相手してないし」的なスタンスw

この”@earth”も作品中ほとんど文字での表現はなく、ひたすらビジュアルでメッセージを伝えている
彼のビジュアルだけでも言いたいことは伝わる!という強い意思を感じつつも、「意味わかんないならちょっとは調べてみろ」的な
見る側に対してのリテラシーを求めているようにも感じる

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はじめに書いたけど、どうやらピーター・ケイナードはやっぱりそんなにメジャーじゃないらしくw
この”@earth”も10年前の作品だけど、割と簡単に安価で手に入るの、もし見つけたら買ってみても良い本だと思います

最後におまけで、背表紙に、日本で言う帯の紹介文にBANKSYのコメントがあるので載せておきます

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