あたりまえに努力できればよかったのに|弱虫の冒険記

逆張りオタクすぎるので、めちゃくちゃマイナーな曲を紹介します。
ふとしたときに、昔聞いてた曲の歌詞を思い出して、昔よりもより、いい歌詞だなぁって思うことありますよね。

ということで紹介するのは、さくらばさんで「弱虫の冒険記」です。
この曲は、オービタルレインボウという、エタって(制作が永遠に止まって)しまったフリーゲームの主題歌として知りました。

オービタルレインボウまじで良いので、今すぐこんな記事を読むのをやめてプレイして、続きが見れない絶望を味わって欲しいところですが

それはそれとして

オービタルレインボウは、主人公がちょっとした後悔から過去を変えてしまって、その結果何もかもうまく行ってない世界線になっちゃう
がんばって、最高の世界線に戻ろうっていうお話です

そんなゲームの主題歌が「弱虫の冒険記」です。

そして、その歌詞の一番好きな部分が

冒険小説の主人公みたいに
楽に生きられたらな

っていう部分。
本当に本当の歌い出しの部分が一番好きです。

がんばりたい、けど、がんばれない。
そんな自分もがんばってる周りもどこか斜に見ている。
果ては冒険小説の主人公すら、真っ直ぐ見られない。

冒険小説って、山あり 谷ありで、主人公がいろんな試練をクリアして、それでお宝を手に入れるとか目的を果たすとか、そんなお話だと思うんです。

我々平凡な生活を生きる人からすると、"冒険"って楽じゃないんですよ。
命の危険があったりするし。

でも、そんな主人公に対して出る感想が「楽に生きられたらな」

冒険小説の主人公は色んな苦労や障壁を経験するけど、"楽に生きてる"ように見えるんですよ。

少なくとも、僕たちみたいな、ちっぽけで俗な悩みなんてないみたいで

冒険小説の主人公たちは、物語の上で頑張ることが決まっている。
そして、多くの場合その努力は報われます。
登場人物の視点だとそうじゃないと思いますが、それを俯瞰して、物語として読む我々視点からすると、決まった使命があって努力をして決まったハッピーエンドに向けて動いてるわけです。

だから、楽に生きてるなって

僕らの世界は、大層な使命も、頑張るに値する冒険も滅多になくて
結末も決まっていなくて、いやむしろ、努力はどうせ裏切るし

頑張って努力しなきゃいけない

努力することを決めて、努力しなきゃいけない

ああ、冒険小説の主人公みたいに、頑張ってキラキラした物語のような人生を歩きたい。

「弱虫の冒険記」はそんな思いから始まって
頑張れない妥協の日々を送って
昔の夢を置き去りにして
でも、でも最後に、諦めきれなくて
捨てきれなかったものを不格好でも取り戻せるかなっていう曲です。

無責任に現状を肯定する歌じゃない。
弱虫でも理想は捨てきれないでしょ?

歌い手の不安定で必死な声もあいまって、本当に背中を押される曲だと思います。

僕たちは理想の未来に「また会えたね」って言えるだろうか

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