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彼岸拠りカタルシスつまり日記

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同調か沈黙か
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#エッセイ

誕生日には新しい香水を自分に贈る。

自分の誕生日には香水を贈ることにしている。22歳の誕生日に始めたこの習慣は、今年で5年目に…

玉響
1年前
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もう思い出せない無数の言葉を信頼するということ。

中学生の頃、最も仲の良かった女の子は、とても可愛かった。クラスで目立つ派手なタイプではな…

玉響
2年前
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最後の苺も躊躇いなく食べるタイプです。

「春はやっぱり苺だなあ」 大粒の苺がごろごろ入った苺パフェを頬張りながら私は、最後に「み…

玉響
2年前
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いつか還る場所にも咲いていてほしい花

会ってすぐ、左手の薬指を確認した。まだ結婚してなかった。ホッとした自分がいた。 「アプリ…

玉響
2年前
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「なんのためにお前はいるんだ」

昼過ぎ、たまたま寄った街角のマクドナルド。年配の男性が、まだ未成年にも見えるバイトの店員…

玉響
2年前
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シュレディンガーのクリスマスケーキ

今年もクリスマスケーキの情報が溢れる季節がやってきた。 私はクリスマスケーキが大好きだ。…

玉響
2年前
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かつて好きだった人から、唐突にLINE。

「どーもー✋元気?🍀」 びっくりして、三度見くらいした。そして、なんとも言えない気持ちのまま、未読無視し、すっと指をスライドさせてブロックした。 かつて好きだった人、といっても、まだ一年前のこと。一夜だけ関係を持った上司だった。だが、彼はそのまま転勤。私は私で転職を既に決意していて、長く続くための意思はお互いなかった。それに彼には他に相手がいた。だが私にとっては、初めて本当に好きだと思えた人だった。人生で初めて、ラブレターを渡した人だった。 当時の私がどれだけ恋に恋をし

若い女子、という社会的特権について

仕事でとても落ち込むことがあった。 飲み会の席で、「〇〇さん(私の上司的なポジション)とデ…

玉響
3年前
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複業を極めるというのは矛盾か

副業から、複業の時代へ。 そんなことを言われ始めたのは私が就活生の時。三年前くらいだろう…

玉響
3年前
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暮らすように旅しよう

民泊王手のairbnbが、抽選12名限定で、世界のどこかで12ヶ月暮らせるキャンペーン“Live Anywh…

玉響
3年前
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家族が死ぬのが怖い

私は家族が死ぬのが怖くて、死の予兆は今のところはないのだが、唐突に号泣してしまう時がある…

玉響
3年前
55

代わりに空が、桜色でした。

私の生まれた場所でもある、近所の病院の敷地内には、数年前まで、桜の大樹がありました。毎年…

玉響
3年前
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音楽的嗜好とアイデンティティの相関関係について。

「で、pairsで出会った男が、またしてもとにかくつまんなくてさ。案の定、ミスチル信者だった…

玉響
3年前
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死ねない理由

Tinderをはじめてみた。いろんな人がいるなあ、とひたすらに無心でスワイプして、その後愕然とした。概して同じだと気付いてしまったのだ。みんな孤独がいやなのだな、どうにかして紛らわせようとしているのだなと。 友達目的のニートも、ヤリモクのサラリーマンも、暇つぶしの大学生も、どうにかして他人と関わろうとしている。どこかで自分を満たしてくれたり自分が満たせる相手を探している、自分が利用できたり自分がひとりでいなくてすむ相手を探している…その現実を可視化したのがこれなのだ、と。