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HANASHINONETA(噺のネタ)

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噺家・玉屋柳勢( タマヤ・リュウセイ )が落語の「演目」毎に、稽古の裏話やエピソード、解説を。
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[噺のネタ]番外編『らくだ』と「サゲ」について…許可無く使うのは!!(噺家の作法)

今日は『らくだ』と「サゲ」についてを。 以前、とある師匠が、うちの師匠に『らくだ』の稽古のお願いにいらっしゃいました。 師匠は「自分に習うよりも、〇〇師匠に習った方が良いから」と断りました。 〇〇師匠の『らくだ』と、変えたサゲが素晴らしいからというのが理由だそうで。 脇にいたアタシにも「やりたかったら、その師匠に習えよ」と。 それで、アタシも〇〇師匠へ習いに行きました。 実は〇〇師匠のもご本人のサゲではなかったので、更に、それをお考えになった師匠へ使わせていただく

[噺のネタ]6『やかん』(琴柳先生の講談のお稽古)

今回は『やかん』のことを。 『やかん』は噺家になって最も高座に掛けたネタです。 前座の頃に柳家三三兄さんに教えて頂きました。 『やかん』は後半、講釈の件があり、それがまた聴き所でもあります。 宝井琴柳先生から『三方ヶ原軍記』を直々に教わっている三三兄さんの講釈は、言わば本物。 アタシも何とかしなくては、と三三兄さんに相談をし、琴柳先生から『三方ヶ原軍記』を教えて頂きました。 琴柳先生は保守本流。特に修羅場を読ませたら右に出る者はいないという、凄い方なんです。 先