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RAKUGOBIYORI(らくご日和)

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噺家・玉屋柳勢( タマヤ・リュウセイ )のブログ。寄席のこと、自主公演のことに加え、歌舞伎のことや趣味のことまで。
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#落語協会

圓窓師匠のこと

落語協会から連絡がありまして、圓窓師匠がお亡くなりになったそうです。 アタシが入門(約18年前)した頃には、圓窓師匠は腰を悪くされてあまり寄席には出演されていませんでした。 うちの師匠や圓太郎師匠の世代はよくお稽古をつけて頂いていたそうです。 アタシは直接お稽古を付けて頂いてはいませんが、 持ちネタでは『甲府ぃ』、『三年目』、『短命』、『叩き蟹』、『佐々木政談』辺りはネタ元が圓窓師匠です。 他にも、一朝師匠の『尻餅』、さん喬師の『そば清』、 宿屋の主が養子で紐を引っ張

寄席はカタログ。

寄席のカラー。 協会のカラー。 一門のカラー。 落語の初心者はまずは寄席へ行ってみよう。 何度か通ううちに、それらが何となく見えてきます。 そう。 寄席(定席)はカタログ。 落語界の現在を大まかに捉えられる場所。 なのかなと思います。 年間を通して、様々な師匠方や一門の落語をふらりと聴けるのが寄席の良いところ。他の落語会では見られない、一門ならではの興行が年間を通して行われています。 オールスターで固めた定番の落語会は、ホール落語や地域寄席等で見るとして、落語協

研精会の創設者、稲葉守治さん。こういう方のもとで落語ができた幸せ。※追記あり

稲葉守治さん…。 先日、3月10日のご命日にお墓参りへ。 日本演芸若手研精会(研精会)は、若手落語家育成のために研鑽の場をという目的と、営利目的ではなく、多くの方に落語を広めたいという願いから、稲葉さんが個人で創設された会だと伺っています。 設立されてからお亡くなりになるまで、毎月、国立演芸場を自費でお借りになって運営され、チケットも色んな方に配られていたそうです。 その資金で、本来ならば家がもう2、3軒建てられたほどだったとか。 稲葉さんご自身は、決して楽屋にはい

一本立ちの意味。~真打になるということ。披露目は通過点。

2018は自分で仕事を作る。 2019は真打昇進披露興行に向けて、予行練習の意味での少し大きな落語会を開催する。 そして2020の真打昇進披露興行は、現状を把握するための機会ととらえ、アタシの名前でお客様がどれくらいいらして下さるかを確認する。 こんな目標を立てて進んで参りました。 特に披露興行では、師匠のお客様や師匠の事務所(アタシは所属しておりません。自営業です。)に頼ったり、無理な営業をかけたり、興行でたまにみかける、無料でチケットを配ったり…そんな事を一切せず