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RAKUGOBIYORI(らくご日和)

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噺家・玉屋柳勢( タマヤ・リュウセイ )のブログ。寄席のこと、自主公演のことに加え、歌舞伎のことや趣味のことまで。
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#人間国宝

人間国宝、五街道雲助師匠のお稽古では。

はじめに…『粟餅』は「う〇こ」のネタで、『にせ金』は「キン〇マ」を連呼する噺…です。 「雲助師匠が人間国宝に」 そのニュースを聞いたアタシは飛び上がって喜びました。 雲助師はうちの協会でお稽古をつけてもらったことが無い人なんているかしら、というくらい皆がお世話になっている師匠です。(注1) 師匠はその芝居中にお稽古を付けて下さることもあり、寄席の初日には雲助師匠にお稽古をお願いする二ツ目が大体何人かいて、先輩「お稽古頼みに来たの?誰?」アタシ「雲助師匠に。上げのお稽古

富十郎さん一世一代『船弁慶』後。雲助師匠と武智歌舞伎塾。

学生時代、それまでポップな歌舞伎を中心に観ていたアタシが度肝を抜かれたのが、故・中村富十郎さん一世一代の『船弁慶』。 それまでは、当時よくマスコミで取り上げられていた先代勘九郎さんのコクーン歌舞伎・平成中村座・納涼歌舞伎などを中心に見ていました。 ある日、人間国宝が、得意な演目のやり納めをするらしい、そう新聞で読んだアタシは、軽い気持ちで『船弁慶』を観に行きました。 舞踊なので、よく意味はわからないものの「何だかスゴいものを見た!」と感激し、幕見席で何度も通ってしまいまし