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RAKUGOBIYORI(らくご日和)

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噺家・玉屋柳勢( タマヤ・リュウセイ )のブログ。寄席のこと、自主公演のことに加え、歌舞伎のことや趣味のことまで。
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#伝統芸能

新春浅草歌舞伎で『吃又』を。

新春浅草歌舞伎・二部を観劇して参りました。 正月恒例の若手公演、3年ぶりの開催です。 お目当ては義太夫狂言の『吃又』。 今は亡き吉右衛門さん演じる又兵衛に感動し、この芝居が大好きになりました。 師匠から「物見せよ(見張れ)」と命じられ、花道の付け際に座り、グッと息を詰めて揚げ幕の向こうを見る。 真っ直ぐな思いが現れたその眼に、一瞬で心が奪われたのを思い出します。 最近では義太夫狂言の出る機会が減り、寂しく思っていましたが…。 今回、又兵衛夫婦を演じる歌昇さんと種之

提出した「参加の意図」を。 /文化庁芸術祭「玉屋噺の会」

このたび、自主公演「玉屋噺の会」は、令和4年度(第77回)文化庁芸術祭へ参加いたします。 応募の際に文化庁へ提出した「参加の意図」「公演のあらすじ・概要」は以下のとおりです。 「参加の意図」 話芸そのものでの挑戦、噺家の未来を見据えた挑戦、の二本柱。 「売りたい誰か」による商品としての落語・落語家・落語会が散見される昨今。誰でも気軽に落語をし、会を開催できるのが現状。 その中で、落語界の伝統やしきたりに忠実に、精進を重ねる演者がまずは豊かになるようにと、落語を磨くとともに

継承された話芸とは。 (あなたは「わかる人」ですか?)

ルール違反のまやかしか、継承された話芸か。 その落語を聞けば、わかる方にはわかる。 と思います。 さてさて ちょっと刺激的な言葉を使わせて頂きましたが・・・ あなたは「わかる人」ですか? 様々な師匠方を通り抜けて、磨かれてきた古典落語。 落語は、ネタ元かネタ元に近い方に習いに行く、というのが大原則。 特に、特別なサゲやくすぐりのある噺は、そのサゲやくすぐりをお考えになった師匠にまで許可を得たり、と、きちんと筋を通さなければなりません。 それがプロとしての礼儀。