踊り場と通勤と私

最近友達に教えてもらったラジオクラウドで、「空気階段の踊り場」を聞くのにハマっている。

出勤の時は何も考えたくないのであまり聞かないようにしているが、退勤の時は毎日聞いている。

本当に面白い。車の中で聞くことが多いが、独り言と手叩いて笑うのが止まらない。

借金500万・ギャンブル大好きチェーンスモーカーの髭男鈴木もぐらが語る幼少時代のエピソード、破天荒な友人たちの話、もぐらの純情話等々本当に面白い。そしてもぐらは抜群に声がいい。

相方の水川かたまりからも、ツッコミ続ける常識人かと思いきや、時たまトンデモ不思議エピソードが飛び出す。


鈴木もぐらは天才か???(でも絶対友達にいたらイライラするだろうな。)そして水川かたまりの聞き上手さに惚れ惚れする。なんて慈悲深い相槌をうつのだろう。

まだ#23までしか聞けていないのだが、

#20心に石を積む男  が素敵でしかたなかったので紹介したい。

毎回コンビ2人が非常に仲の良いことが窺える微笑ましいラジオではあるが、この回では2人はまあまあマジトーンの口喧嘩をする。

どんなクズエピソードにも笑って相槌を打ち続ける水川が、きちんともぐらを叱る回なのだ。ほんとにラジオか?と思うぐらい水川はちゃんと説教するのだが、何がすごいって説教しながらももぐらのことを褒め続けるのだ。愛を感じて仕方ない回なのだ。なかなかああいう叱り方をできる人間はいない。ああ、人間に愛されて生きてきたんだなぁ、この人は、、、と思うと不思議と涙が溢れてくる。「お前は顔が悪いからモテないんじゃない!性格が悪いんだ!!」としっかりブチギレながら、必ず合間合間に「お前は顔はかわいいんだ!!!」と褒めるのだ。もぐらが意見交換の場で意見しない事に対しても「もぐらは考えをきちんとためてから必殺技として出したいタイプだから〜」みたいなこと(ちゃんと覚えてない)言ってうま〜く優しい言葉で言い換えるのだ。文章では伝えきれないが、愛に溢れすぎている説教なのだ。全世界の人がこの説教を真似したら、きっと世界は平和になるのに!!!普段きっとめちゃめちゃイライラしている水川が、辛抱たまらず世間に出してしまったイライラ。あぁ、きっと収録おわってちょっと反省してるんだろうなあってところまで勝手に想像して悲しくなったり。

それに対してもぐらの言う屁理屈がひどすぎてイライラする。#19までクズでありながらもいい奴っぽく聞こえていたのに、「本気のクズやんけ!!!むりや!!!」とものすごく悲しい気持ちになる。裏切られた気分だ。しかし聞き進めていくうちに、水川が褒めるたびに少し照れる様子、叱られてちょっと凹みながらもラジオであることを意識して面白いことを言おうとする健気さに、ちょっと前まで「むりや!!」と思っていた気持ちがハワハワとほぐれていくのを感じる。

もぐらが本当のところどう思っているかは分からないし、もしかしたら本気のクズなのかもしれないが、叱られながらも無理やり自分のクズキャラを通し続けようとするところに自己投影してしまった。「ああ〜わたしもほんとは真面目なこと言うべきシーンで自分のキャラとその場の空気気にしてアホそうにしちゃったりするゥ」って胸がキュッとして、「しかもこれって誰にも空気読んでることわかられないまま、ただのアホとかクズって周りには思われちゃうんだよな〜」てさらに胸がギューっとしていたたまれなくなってしまった。ああ思い出すだけでキューーーー。。。

ほんとに普段はひたすらにくだらなくて面白いのだが、この回だけは30分の間にわたしの心の中がイラついたり悲しくなったり感激したりキューーーーってなったりめちゃくちゃ忙しくて大変だった。

聞いていないとわからない感想だと思うので、是非聞いてもらいたい。

私は通勤に車で毎日30〜35分かかる。空気階段の踊り場は一回30分なので、本当にちょうど良く私の心をめいっぱい満たしてくれる。

会社は正直地獄とまではいかないが、ツライ。社会人2年目、自分を見失いながら生きている感じがすごい。しかし転職する元気もないし、今以上の職場では働かないだろうと思わせるわたしのスキルと営業能力の無さ、、、

あぁ毎日へこたれながら生きていて、満身創痍で口半開きで帰る日々だった。しかし踊り場に出会ってから毎日笑って帰れる。大袈裟だがそのなんと素敵なことか。

仕事という自分をボロボロにしていく時間から、私の「私」という時間にうまーく戻してくれる耳から得るこの喜びのなんと愛おしいことか。


是非聴いてください、踊り場。


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