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魂列車 茶々椿が選ぶ The Best 20 Albums of 2018 -Japan編-

 はじめまして!
魂列車という漫才コンビで活動している椿と申します。

毎年細々と自分の音楽体験を総括しておりまして、2018年も例に漏れず楽曲大賞的な総括記事を書くに至った次第です。それでは、長文・雑感ではありますが以下お付き合いください。

 2018年、日本においては暗号通貨流出事件にはじまり、台風や地震など多くの災難に見舞われた年でした。
 そんな中、僕個人としては大学を休学してゆったりしており、人間的にも地に足ついた年だったように思います。(芸人活動とアルバイトはありましたけどね。)音楽についても、昨年までは先鋭音楽などにも興味を持って耳を傾けていましたが、今年はポップス(しかも邦楽)ばかり聴いた年でした。角が丸くなったいうか、自分の落ち着くポジションが定まったというか。そんな感じです笑

 そんな僕の今年のアルバム20選を発表します!

■ まずは、20位から11位までをサクっと発表!

20位 Chara 『Baby Bump』
19位 KIRINJI 『愛をあるだけ、すべて』
18位 堀込泰行 『What A Wonderful World 』
17位 折坂悠太 『坂道』
16位 BIM『The Beam』
15位 ものんくる『RELOADING CITY』
14位 曽我部恵一『There is no place like Tokyo today!』
13位 TENDRE『NOT IN ALMIGHTY』
12位 土岐麻子『SAFARI』
11位 tofubeats『RUN』

20位〜11位は上記の通り。



< 10位 >
DATS  『Digital Analog Translation System ver.1』

エレクトロ・バンド DATS のメジャー・デビュー・アルバムです。僕はこのバンドを「海外の新しい音・ビートを"ポップ性"に落とし込むバンド」と印象付けていましたが、本作のリリース受け、その印象が更に明確なものになりました

 昨年リリースされた『Mobile EP』は、「何も知らない日本人が聴いたら海外バンドの作品だと思うだろうな」という内容でした。しかし、本作はJpopにメロディが寄った上に、歌詞には前作まで皆無だった"日本語"が沢山登場しています。このような変化から DATS が、ポップ性はもちろん、これまで以上に"日本"を意識するようになったことが伺えます
 相反して、DATSの代表的メンバー MONJOEさん が並行して活動するバンド yahyel は日本人離れした音楽を発信する姿勢を崩していません。

関係の深い2つのバンド・プロジェクトの方向性が更に大きく分かれた年でしたね。どちらも好きですが、キャッチーなDATSをここにランクインさせて頂きます。



< 9位 > 三浦大知  『球体』

NHK・民放問わず、あらゆる音楽番組で出演しまくっている三浦大知さん。9歳で Folder のメンバーとしてデビューして以来、和製マイケルジャクソンと言われて久しいアーティストです。

 彼はポップミュージシャンでありながら常に芸術家として挑戦してきました。とりわけ、近年の独自な活動は目を見張るものがあります。昨年彼は、フューチャーベースやアンビエントベース、エレクトロニカなどへの挑戦を経たことで、ニッチで感度の高い音楽リスナーを惹き付けるようになりました。
 そして今年リリースされた本作『球体』も、彼の新しい挑戦となっています。

本作『球体』は、音作品に留まらず、演出・構成・振付までを三浦大知さん自身が手がける舞台公演『球体』をもって完結します。(※イメージつきにくいと思うので、ティザー映像を上に添付してます。)
 前作までは、日本のポップス・シーンでは未だ亜流である、ダブステップ以降の音/ビートを用いる点に彼の挑戦を感じました。そして、本作はその延長で、『「現代舞台芸術のための音楽」と「聴いて楽しむ音楽」をダブステップ以降の音で両立させる』という試みに挑んだのかなと思います。情報感度の高さ(インプット)と表現力の高さ(アウトプット)を兼ね備える三浦大知さんにしかできないコンセプトアルバムです。



< 8位 > Ryohu 『Ten Twenty』

HipHopクルー " KANDYTOWN " のメンバー Ryohu。Base Ball Bearやペトロールズ、Suchmosらの客演参加、そして、かつて閃光ライオットで注目されたズットズレテルズのメンバーでした。

 本作はそのRyohuによる最新ミックステープ『Ten Twenty』。1曲目「Call Your Name ('18)」でリバーブを効かせたギターのゆっくり夢から醒めるような音色を味わってから束の間、リード曲でもある2曲目「All in One (Remix) [feat. IO & KEIJU]」早速惹き込まれてしまいました。立ち上がりからすぐにアルバムへの「期待」が「確信」に変わります。
 彼の軽やかにうねるようなラップとチルな生楽器のビートが相俟って聴く人の肩の力を緩めてくれます。ソファとかで聴くと気持ちいいと思いますよ。超かっこいいですが、歌うための " 歌モノ " としてはめちゃめちゃ難しいと思うので、カラオケでカッコつける際には注意が必要です。

 近年はフリースタイルダンジョンの人気もあってBADHOPや9sari系含むトラップ調HipHopが大衆的に日の目を浴びてるようですが、SUMMITやFla$hBackSなどのチルな方が僕の性格に合うようで、好きです。

 最後に、タイトル " Ten Twenty " についてRyohuさんが以下のように説明しています。かっこいいですけど、「そんなことよく知ってんな!」ってのが率直な感想です。

- 10コードっていうアメリカの無線機で使われる暗号があって。その中で
10-20(Ten Twenty)が、現在地を知らせるコードなんですよ。そのコードが、今の自分のやってることに合ってるなって。過去を振り返って、未来を見ている、それが今の自分。--- Ryohu    FNMNLのインタビューより



< 7位 > Negicco 『MY COLOR』

アイドルカルチャーの生きる伝説 Negicco。2003年に新潟の名産ネギ「やわ肌ねぎ」PRキャンペーンのために結成されました。当初1ヶ月の期間限定での結成予定でしたが、現在まで続き、今や15年目を迎えるベテランアイドルとして音楽界に君臨しています。今も成長を続けているので凄いっすね。

 『MY COLOR』は2年ぶり4枚目のフルアルバムです。高評価を受け続けているNegiccoですが、例に漏れず本作も作家陣の名ばかりではない充実の作品となっています。中でも「スマホに写らない」は、制作した思い出野郎Aチームの高橋一(vocal)さん自身が歌ってる様子が簡単に思い浮かぶくらい、詩も曲も音も"思い出野郎感"満載で最高です。「カリプソ娘に花束を」は YOUR SONG IS GOOD による作品。" カリプソ " というのは、カリブ海の島国の音楽です。エスニック音楽における代表的なジャンルともいえます。他にも 堂島孝平 / クラムボン(ミト) / シャムキャッツ / keishi tanaka ...など錚々たるアーティスト陣が制作に携わっています。
詳しい制作クレジットは→ ( http://negicco.net/special/mycolor_specialsite/ ) 

 もう最近は、アイドルが「著名なバンド / アーティスト / トラックメイカーから楽曲提供を受けて、それを箔にする」ということが当たり前になっています。当たり前になり過ぎて、「この人に楽曲提供してもらえば話題になるでしょ?」という運営サイドの心の声を感じてしまう例も少なくありません。そんな状況もあってしばらくは、優れたプロデューサー自身が制作を手掛けるグループ(Maison book girlsora tob sakanaamiinAなど)のシーンが面白くなっていくのかなと思っています。
 もちろん、Negiccoをはじめ、提供される楽曲のクオリティを保ち続けているグループはいます。いい作品を出し続け、故に長く「楽曲派」と言われ続け、アーティストとの信頼関係を築き続けたグループだからこそ楽曲提供の妙を引き出せるのでしょう。そもそもNegiccoは、サウンドプロデューサーであるconnieさんがポップメイカーとして優れています。本作『MY COLOR』に収録されている「tell me why」は彼が作詞作編曲している作品ですのでぜひ聴いてみてください。



< 6位 > 向井太一 『PURE』

 R&Bシンガーソングライター 向井太一 の2ndフルアルバム。yahyel、mabanua、tofubeatsなど芸術性の高いアーティストたちとの共同制作によるトラックと、丁寧で優しい歌声が特徴で、最近ではCMやモデルの活動でも注目度を高めています。

 作品をリリースする頻度が高いにも関わらず、毎度ど真ん中ストレートなポップソングを作ってきます。この人のメロディセンスは枯れません。アルバムは、最初の方がBPM速め、ラスト方にBPM遅めの曲が配置されています。日本のポップスは、現在の欧米の流行に比べて比較的BPMが速いと言われています。日本人は速い音楽を好むようです。曲目の頭にキャッチーで軽快なダンスチューンが固まっているのは、わかりやすくストレートな曲を最初から間髪入れずに聴いて欲しいからなんですかね。上にあるリード曲「Break up」は☆Taku Takahashi ( m-flo ) がプロデュースしています。m-floらしい2ステップ楽曲です。

 Yellow Magic Orchestraにはじまり電気グルーヴ、サカナクション、tofubeatsなどは、この日本の電子音楽の歴史を語る上で重要なキーアーティストですが、このシンガー 向井太一 もその1人になり得るのではないかと期待しております。今後の爆発的な活躍が楽しみです。



< 5位 > 蓮沼執太フィル 『アントロポセン』

音楽家・蓮沼執太がコンダクトする、総勢16名が奏でる現代版フィルハーモニック・ポップ・オーケストラ。構成するのは、男女混成ヴォーカル、ラップ、ピアノ、ユーフォニアム、フリューゲルホルン、サックス、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、マリンバ、スティールパン、グロッケンシュピール、シンセサイザー、ギター、ベース、ドラム……という多種多様な楽器によるアンサンブル。そして、繊細で知的な旋律の集合をバランスよく整え、フィルのポテンシャルを100%活かすエンジニア葛西敏彦さん。その全ての軸となっているのが蓮沼執太さんです。

 本作『アントロポセン』は、前作が「昔に存在していた名盤感」を出したかったのに対し、繊細で知的な" オーケストラ "だからこそ音の解像度の高さにこだわった作品になったようです。それ故にハイレゾ(24bit/96kHz)でも配信されています。

OTOTOYのインタビュー記事では、主に本作の録音について詳しく述べられていて興味深いです。一節、引用してみます。よろしければぜひチェックしてみてください。

── さまざまな楽器が入れ替わり立ち替わり目の前に現れていく中で、アルバム中盤の「centers #1」はちょっと聴こえ方が違いました。

蓮沼 : あの曲は、メンバーを別々のブースに入れず、スタジオのメインブースに集合してもらって録ったんです。僕は演奏はしないで指揮だけしました。

── なぜそういう録り方を?

葛西 : 室内楽っぽい感じを自然に出したいなと思ったんです。バラバラに録音したものを後から混ぜるのではなく、その場の空気で音が混ざっていて、自然に聴いた感じを切り取るだけというような形でレコーディングしたくて、2本のリボンマイクだけを使って録りました。ちょっと専門的な話になりますが、リボンマイクは双指向性といって前と後ろの音が録れるんですが、それを2本、90度ずらして設置するブルームラインという方式で録りました。昔のジャズの録音によく使われていて、変に音が立ったりしないで、自然な聴こえ方になるんですね。蓮沼くんが同じ部屋でレコーディングしたいと言ったときに、最初に思いついたのがこの方法でした。

OTOTOY 【みんなでそろって音を出すと「フィルの音がする」──蓮沼執太フィルの新作『アントロポセン』をハイレゾ配信】より引用




< 4位 > Mom 『PLAYGROUND』

シンガーソングライター / トラックメイカー / 現役大学生の21歳 Mom さんの1stフルアルバム。ジャケットやMusic Videoなどのアートワークもすべて1人でこなす自身のスタイルを「CRAFT HIP HOP」と称しています。

 今年の一番の出会いでした。彼が『Night Rythme』というイベントに出演してて、そこにいたお客さんの口伝手で僕は彼を知りました。僕より年下だし僕が好きなファッション感で活動をしていることを知ったので、やや嫉妬気味に彼の作品に触れたのですが、すっかり今は彼のファンです

 僕は彼を「次世代サンプリングミュージシャンの旗手」と位置付けました。最近ちょいと揉め事があったようで、僕が一番好きな作品「That Girl」が各種サービスで聴けなくなってしまったのが残念でなりません。また聴きたいな。



< 3位 > D.A.N. 『Sonatine』

日本の次世代を担うバンド D.A.N.。深遠なベース・ミュージックと、キリンジに代表される日本のソフトロックなど諸々をミックスさせた斬新なバンドサウンドと「日本語でやること」が多くの評価を受けてきました。James Blake や The XX の来日公演でオープニングアクトを務めるマジもんの日本代表です。みんな僕と同い年くらいですよ。

 で、本当はいろいろ文章認めてたのですが、本当に良質なインタビューを見つけてしまったので、そこから一部引用します。できればこのインタビューを読んで欲しいです。めちゃめちゃ音楽脳刺激されます。ここまで具体的に本質に迫るインタビュー、なかなかありませんよ。わからなくても、わかろうと調べ・考えながら読むのが大事。

──1stはわりと音響的なポスト・プロダクション的な部分が大きくて、2ndはもうちょっと楽曲主体、バンドの演奏主体という感覚になったのかなと思ったんですが。

櫻木 : ああ、それはあるかも。余計な装飾をしていないというのはあるかも。それがある人にとっては地味に聴こえるかもしれないけど。でも、もっと本質的な音にフォーカスしているということだと思うんですけど。

川上 : それぞれが表現したいことをできるようなスキルが演奏において身についたという感じだと思うんですよね。がんばって、あとで付け足そうみたいなことをしなくてもいいような演奏ができるようになったというか。

バンドでやることで想像を超えられる──D.A.N.新章、その土台となる2ndアルバム『Sonatine』ハイレゾ配信 -----OTOTOYより引用

↑ これ読むべし! ↑ 


< 2位 > KID FRESINO 『ai qing』

やっと出た〜!!!」それがリリース時の僕の感想です。KID FRESINO さんのことが好きな人は皆そう思ったのでは。というのも、リリースが若干遅れたのでね笑

 昨今の日本のユースカルチャーにおいてとても大きな勢力となっているHipHop/R&Bカルチャー。その中で、大衆へのセルアウトとは一線を画して常に自分の道を進み続けるKID FRESINOさん。彼は昨年1月には自身初となる生楽器・バンド演奏での録音作品『Salve』をリリースしました。あれから2年ほど月日が経ちましたが、その間に彼は Seiho という電子音楽のフィールドにいる稀代の音楽家と活動を共にするようになっていました。その末に発表されたのが本作『ai qing』です。新しい方向性がどのようにアルバムに影響するのかとワクワクでしたが、彼は別にどちらかに舵を切るとかではなく、どちらもやってのけました。なんなら8ビートのロックも出してきて、何事?と思ったらこんなことを言ってました。

 「最近、C.O.S.A.くんともラッパーがラップしかしないのは音楽に対して怠慢なんじゃないかと話していたんですけど、そう思って、ケンドリック・ラマーも歌い始めたんだと思うし、より良い音楽を作っていくうえで歌が必要な場面はあるんじゃないかなって。だから、自分でもそれを実践してみただけ。まぁ、当たり前のことですよ」 KID FRESINO『ai qing』全曲解説

かっこよくない?

 「この2年の間に、自分のなかで死生観が変わったんです。以前から頭の片隅で、“全部終わってもいいな”っていうことをずっと考えていたんですけど、ある時に読んだ大岡昇平の小説『野火』に“自分は死には値しない。”というようなことが書いてあったんですよ。だから、むしろ“死とは尊いものである”と。

 ただ、そう考えることによって、死に値する生をどう高めていくかというスタンスに反転はしても、ポジティヴに振り切ったわけではなくて。それで、ネガティヴではあるけど、バッドじゃない

 このアルバムはそういう心持ちで締め括りました。 それもこれも、この2年間であらゆるもの、価値観から事象から全てを受け入れまくった結果ですよ。その間にもらたされた変化は、自分のことながら、本当に大きかったと思いますね。結婚して、子供が生まれたり、安井(Febb)が死んだり、そうやって生も死も経験して、自分なりに理解しようと努めたことで、ここ最近は以前のように思い悩まず、日々を過ごせるようになりました。そんな日々のなかで心が動くことがあっても、今の自分にはそれを昇華出来る音楽がありますからね。この先も止まらずにその表現を更新していきたいと思います」 KID FRESINO『ai qing』全曲解説

あまりにかっこよすぎる...

そしておこがましくも、
彼の人間的なブレイクスルーは自分と重なる部分があって、
僕の背中が勇ましく押されました。

僕はこれからもKID FRESINOの背中から学びを得るし
これからもiPhoneの名称は kid fresino でやっていきます。


< 1位 > cero 『POLY LIFE MULTI SOUL』

もはや、サブカル系ティーンなら漏れずに「好き」の対象にしているcero。というかそのあたりの頂点に君臨するバンド。3年ぶり4作目のフルアルバム。

 贔屓目で言えば、KID FRESINO『ai qing』を1位にしたいところなのですが、ceroは本当に凄い。

 前作『Obscure Ride』を「ブラックミュージック志向のポップスバンドceroの集大成」と捉えるならば、本作は更に「ブラックミュージックが持つグルーヴを殺さずにテクノ・エレクトロのエッセンスとの調和に成功した、至高の日本的ダンスミュージックオーケストラceroの現在形」と言いたいです。ここでいう日本的というのはJpop的という意味ではなく、オリエントというかエスニックみたいなニュアンスで捉えて欲しい。単に「Jpop的なダンスミュージックオーケストラ」と表現するとそこにはシティポップ勢が沢山います。ceroは、彼らからのリスペクトを受けつつ、また彼らを置いて遠くに行ってしまいました

 もちろん、僕の理解力/言語表現力をも遥かに超える作品です。説明については匙を投げるしかない。故に「あぁ...咀嚼しきれない...咀嚼したい、、、咀嚼し切りしたいゾォォォォォオ!!!」という溢れんばかりのワクワクを抱くばかり。D'Angelo『Black Messiah』以来の感覚かもしれません。

 ・・・フジロック3日目(最終日)の夜、僕は仲間たちが Dirty Projectors のライブに向かう中、独りceroのライブに向かいました。いまいち僕は「ceroなら日本でいつでも観られるじゃん」という感じにならなかったし、何よりceroにふんわりと期待していたのです。「多分すげぇことやってくれる」と。

 ライブが始まってからは音楽に身を委ねながら、僕なりに頭の中で語りまくっていました。cero、ソウルとテクノ、更にはオリエントを融合しちゃった...ダンサブルだ...これが日本のバンドか...!!!って、本当に凄かった。

 詳細どう凄かったかは、DJのデビルスコーピオンさんの分析レポートをご覧ください。→ ( https://note.mu/debirusukoupion/n/n947b3a1993e8 )
もう全てにおいて同意ですし、学びが多いです。超絶怒涛の熱量で書かれたビート視点の専門的な分析ですが、図表を用いながらデビスコさんらしい可愛らしい語り口で述べられているため、楽しくすらすらと読み進めることができます。このような「熱量がないと書けない、定量分析的音楽検証」は人々の音楽理解を深める教材として大きな価値を持っていると思いますので、是非にご一読を。




■ 総括

10位 DATS  『Digital Analog Translation System ver.1』
9位 三浦大知 『球体』
8位 Ryohu 『Ten Twenty』
7位 Negicco 『MY COLOR』
6位 向井太一 『PURE』
5位 蓮沼執太フィル 『アントロポセン』
4位 Mom 『PLAYGROUND』
3位 D.A.N. 『Sonatine』
2位 KID FRESINO 『ai qing』
1位 cero 『POLY LIFE MULTI SOUL』

 世俗文化って、掘っても掘っても、理解力がついてもついても、常にアップデートされるからまた目指すべき高みが用意される。スポーツもそうですよね。かつての名チームや名選手の成績を、新しい選手たちが超えていく。たまに「90年代の音楽がいいよね、今の日本の音楽は安いよね」みたいなことを言う人がいますが、それはあまりにも勿体無い。常に文化はアップデートされているし、そのセンスに追いつくかは自分次第だと思っています。既に良いと言われるものだけを評価するのではなく、自分なりの評価軸を調えて、自分の音楽知識と耳と情報感度を信じて「新しい」「いい」「複雑だ」「シンプルだが芯が立っている」だとか感じて楽しみましょ!他人の評価はそのあとに、自分にとって新しい見識として価値になる。そういうものです。


魂列車 椿
1996.06.20.(22) | 北海道出身 | 趣味は 音楽、カレーとJリーグ
漫才活動のほか、ゆけむりDJs スタッフ、音泉温楽/湯会/加賀温泉郷フェス等 制作スタッフ、など従事。  
Twitter : @takk116

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