タマネギ栽培

苗床
3月播種6月末すき込み。ヘイオーツ+ヘアリーベッチ緑肥栽培。
3月ヘイオーツ1a1kgヘアリーベッチまめ助2a1kg手撒き散播後、トラクター浅耕。
6月末ハンマーナイフで破砕、グリホサート散布で完全枯死、トラクター耕運2回。2回目できるだけ深耕同日2回耕運可。
梅雨時期のため、透明マルチは草出る。95cm幅黒マルチで畝立てマルチ展張。元肥はいらない。
最低2週間以上張りっぱなし。マルチどめ杭で数メートル置きに端を土の上から止めて置くと台風で飛びにくい。通路部分は除草。草が出るとコガネムシ被害増える。

播種
露地播種ならば必ず熱消毒した苗床を使用。除草とネキリムシ被害の軽減効果高い。通路は予め除草剤散布して枯らして置く。
被覆除去後播種。播種機利用。穴2~3粒落とし。4cm株間。20mlで20m3~4条。品種ごとに畝を変える。極早生8月中以降播種、早いと潅水必須。極早生は早生以降品種とは全く別の生育感覚。定植後も冬季ひたすら保温して早く出す。12月出せるのはホームタマネギだけ。3月出しはかなり難しい。
早生〜晩生9月上中播種。

220穴ペーパーセルトレイで4~6粒撒き、9月下にマルチ内に仮植え、適期サイズで本圃定植も可能。生種を1穴1粒撒きはペレットシードでないと難しい上、かなり枚数が必要。ネギ専用培土を使うと肥切れしない。

本圃準備
元肥は有機質肥料のほうが春先に効果出やすいが、未熟な有機物は必ずタネバエを呼び苗への被害が大きい。特に堆肥は注意する。アザミウマ類はアゴが強い、噛み跡から病気入りやすい。枯葉など植物質の未熟有機物は白絹病出やすい。

定植
早生〜晩生は11月上中定植で5月中〜6月下取り。苗直径6mm以上は分けつか、トウ立ちしやすい。伸び悪く基部がふくれている苗は植えても病気出やすい。直径5mm程度の苗が良い。30cm位と長ければ20cm程度に切り詰めて良い。根が白くよく伸びた苗を目指す。根も長いようなら植えにくいので3cm程度に切り揃える。小苗は生育不良になりやすい。
マルチ無しの場合、活着後、土壌表面処理除草剤を全面散布しておかないと、雑草だらけで春先肥大できない。肥大期に入る3月下旬までは雑草発生前にもう1回はやらないとなかなか雑草は防げない。
極早生はひたすら保温に徹し、できるだけ早い時期に出荷を目指す。極早生はトンネル被覆しても4月上以降出し。

追肥
葉の伸長始めの3月中旬までに施す。1回あたり化成肥料で3~4kg/a位にしとく。早生は1月、2月に各1回。葉が大きくなるときに効かせたい。球肥大期に強く効くと葉から球への糖分転流が妨げられて、腐敗球が発生したり、貯蔵性が低下する。やってもやらなくても1割以上は毎年夏に腐敗してくるので、貯蔵は2ヶ月に一度はチェックする。

病害予防
生育期間中、苗からベト病注意。予防剤は降雨前に必ず。一ヶ月に一回は予防剤を定期防除しておくと春先肥大期からの多発を防ぎやすい。タマネギ圃場は水田転作地のような雨がない3月からの肥大期に水分豊富な圃場がやりやすいが、湿度高い圃場はべと病出やすい。4月上旬〜中旬にべと病越年株は抜き取りした方が良い。外葉が湾曲し黄化し、葉先から枯れ込んでいく。必ず圃場外へ持ち出しする。4~5月の気温13〜20℃程度に発生しやすく、降雨が2日以上続く予報が出たら直前または直後に多めの薬剤でたっぷりかかるように薬散しておく。3月からのアザミウマ被害から病気になりやすい。
倒伏する前に貯蔵中の腐敗を防ぐために、灰色カビ病の予防散布を必ず行う。

収穫
8割倒伏時に一斉収穫。遅れると葉が千切れて収穫しづらいだけでなく、貯蔵性が落ちる。
ハウス内で遮光ネットの下で、転がして数日乾燥させる。遮光しないと日焼けで白く傷んでしまい、商品にならない。吊り球で保管するのでなければ、3cmくらい残して葉は切って、薄めのカゴに入れて風通し良く雨の当たらない日陰で重ねて貯蔵する。

保存
保冷庫が無ければ必ずコウジカビにより皮の中に黒カビが出る。長期保存できる晩生種は芽の動きが遅いというだけで、あと特に利点が見いだせない。中生の方が大玉とれる品種多い気がする。

販売
1玉600g以上になることもあるが、大きさを揃えて3〜4玉でボードン袋に入れて販売したほうが売りやすい。袋は0.02厚より0.025厚を選択したほうが購入者が持ったときにボロボロ落としたりしにくい。当日売り切りならポリもありだが、どうしても中が汚れやすい。

抽苔要因
①苗が大きくなるほど
葉鞘太さ4~5mm程度の苗が活着早く、理想。そのために定植50~55日前に播種。平均気温5℃になる40日前に定植すると霜で浮いたりしないため、11月末までに定植。それ以降はトンネル内定植。
早播き、早植えはトウ立ち要因。ただし、極早生は早植えし、穴開きビニールトンネル栽培しないと収穫4月上旬に集中し、早生と1週間ほどしか変わらない。
②肥切れ
多雨による流亡。
施肥不足。元肥は緩効性肥料や堆肥が良い。ただし、未熟堆肥や未熟有機物はタネバエが発生し、根元から茎内を侵食するので不可。暖冬は春の追肥を早目に、回数を多めにする。
春まき栽培は東北、北海道のみで関東では無理ではペコロス位で終わってしまう。逆にホール玉ねぎ用に春まきして、直径2cm以下の球に仕上げて、8月に定植すると12月〜収穫できるホールタマネギ栽培は可能。2cm以上の球は定植後、生育すると分球してしまう。ホールタマネギ苗の地床栽培はべと病等発生しやすいので、トレイを使ってのハウス内栽培で最後水切りして枯らすと良い。これは果菜類苗作りの労力やスペースと被る。トレイには株間1cm1粒計算ですじ蒔きし、間引く。

タキイ種苗 シャルムを使った極早生玉ねぎのセット球栽培
3月播種、5月掘り上げ、8月植え付け、12月収穫。


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