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初めてのオンライン持ち込み【当日編】

前回の【予約編】↓

いよいよ、漫画オンライン持ち込み当日…。

(きっとメール対応なんだろうな…)と私は思っていました。

事前に調べた時に、そういうパターンがほとんどでしたし、そういうものなんだという感覚でした。

別にそれでよかったのです。

なぜなら私はその日…

熱中症になって会社を休んでいたから!!

私は毎日、日記帳に日記をつけている人間なのですが、

当時の日記を読んでみると…

「休む、まだ痛い
〇〇〇(雑誌の名前)のオンライン持ち込み電話でびびる
編集者という存在と初の会話
スピーカーにしても聞こえづらい音量」

とありました。

まだ痛い、というのは、前日から頭痛で風邪で休んでいたからです。

それほどの体調不良にも関わらず、オンライン持ち込みをそのまま断らなかったのは、前述通りメールでの講評だと信じて疑わなかったからです。

仕事に行ってる場合でも、メールだからあとで読むか、という感じでした。

しかし、約束の14時になった途端…

〜🎵〜

スマホが鳴ったー!!!!

慌てて画面をみると、03だ!!東京からの電話だ!!東京03だーーーー!!!

熱中症なことを一旦忘れ去り、飛び起きて電話に出ました。

電話の向こうからは編集者さんの声以外に、トゥルルルルーという電話音…編集部だ!!!編集部からかけているんだ!!!

そんな当たり前のことに興奮しながら、編集者さんとの人生初のやりとりが始まりました。


まず「今日はどういったことを聞きたいのか」ということを聞かれました。

この編集さん、「どういったこと」と言ったにも関わらず、
「作品を読んでの感想 or 連載を目指しているから、具体的なアドバイスが欲しい」
の2つのうちどれか…と返答しやすいように働きかけてくださいました。

「感想の方が優しく言ってもらえる…?」という打算が頭をよぎりましたが、なぜわざわざ持ち込みをしたのか、ということを考えてみた時、

やっぱり、商業に漫画を載せたい…連載したい!!という想いが強いことに気づきました。

特に商業や紙へのこだわりがあるわけではありません。SNSで漫画を描いていたって、「漫画家」だと思うんです。

だけど私は、「商業作品を生み出すスキル」を身につけておいた方が、今後どこでもやって行ける自信がつくのではないか…と将来的なことを見据えたのです。

去年、ネームタンク(ネーム描ける講座)の東西先生に、「漫画家というのは結局、漫画描いてくださいと言われて描けなきゃいけないんですよ」と言われたのも大きいと思います。

なので「将来的にはコミックBさんで連載したいです、アドバイスをお願いします!!!」

という強い意気込みと、

「でも感想も聞きたいんですよね…」

というヘタレ発言を織り交ぜて伝えました。

すると編集者さんは「ははは…つまり、半々ということだね」。

こうして編集さんの苦笑いと共に、作品の生講評が始まったのです。


まず、作品の「よかった点」から言われました↓

・推し活の描写にはリアリティがあった
・キャラの心情表現はとてもよかった

はい、2点です。笑
それでも「心情表現」の部分は、コルクで学んだ甲斐があったぜ〜と嬉しくなりました。それまで説明ばかりの漫画を描いてしまっていて「キャラの気持ちがわからない」と評されてばかりだったからです。

表情を描くのは好きです


次は「よくなかった点」↓

・漫画的表現が弱い
・山谷・緩急がないのでクライマックスが弱く感じる(クライマックスの内容はいい)
・男性アイドルのかっこよさがない(推し活の漫画)
・主人公の推し活をみているだけ、という印象
・推し変がどれほど深刻なことなのかわからない、バレたらどうなるのかが1pで終わってる(推し友に推し変を隠し通す、という内容)
・主人公と対立キャラ(推し友)の関係性が薄い

たくさんある〜〜〜涙
右耳で聞きながら左手を一生懸命動かしてメモしておりました。(左利き)

確かに1pに詰め込みがち(バレたらどうなるのくだりは右上です)


色々言って頂けましたが、「エンタメ性がない」というのが総評でした。

エンタメ性…言葉は知ってるけど、改めて言われるとちょっとよくわからないワード。

思い切って聞いてみると「例えば『コナン』の場合は〜」と他社の作品を出され、(よその作品名って普通に言っちゃっていいんだ…)と妙に感心してしまいました。

その編集さんがいうには、「コナン」でいうところの「名探偵+黒の組織を追う」のように、テーマに2つ以上の要素を考えることがエンタメだそうです。

「設定を盛るということですか?」と尋ねると「う〜ん…そうではなくて、物語に緩急をつけるためですね、即成の軸ですよ」とのこと。

即成の軸とは何だろうと私は思いましたが、それはなんとなく聞けず。

編集者さんは高学歴な方が多いと聞きますが、頭のレベルがあまりにも違いすぎると、せっかくのアドバイスも理解しにくいのだなと、己の知能のなさを恨みました。
聞く耳を鍛えることも大切、という学び。


電話ということもあり、ところどころ沈黙が訪れ気まずかったのですが、ペラペラと何かをめくるような音が微かに聞こえるので「この編集さんマイペースなのかな…」とも考えたりしてました。

さあ、持ち込みもたけなわ…「今後はどういった女性同士のストーリーを描かれるおつもりですか?」と問われ、私の描きたいもの…?と戸惑いました。

語彙力が迷子だったので、「マイブロークンマリコのような作品を描きたいです」とストレートに言うと、

「は?」という返しが。

私は心中、(え、やっぱよその漫画出したらダメなん?でもさっきコナンゆうとったやん!!!ガクブル)と思ったのですが、もう一度「マイブロークンマリコです…」と言ったところ、

「ああ〜なるほど!」と明るいトーンがスマホの向こうから聞こえました。

出版社さんによるのかもしれませんが、他社の漫画の名を出すことはそこまで罪ではないようです…多分。

そして、何度目かの「他に質問はありませんか」で「ありません」と答え、オンライン持ち込みは無事終了したのです。

時間は30分ほどでしたが、体感的には5分でした。


電話を切ったあと、思い出したかのように熱中症の症状が現れ、再び寝床に戻った私。

ガンガンする頭の中で、編集者さんに言われた「エンタメ性」という言葉を、反復していたのでした…。

果たして私は「エンタメ性」を理解し、作中に取り入れることができるようになるのか…?


持ち込み道中はしばらく続きます(先日も2回目を終えたばかり)、次回も読んでおくれ。


そういえば、今回担当してくれた編集者さん、持ち込みが終わった後も「本日はありがとうございました」というメールを送ってくださいました。
う〜んやはりマメな方だった。

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