【薬学生向け】分かりやすい白血球の話
白血球とは
血液中の細胞成分のうちの1つ。
(血液は赤血球、白血球、血小板といった細胞成分と血漿といった液体成分から成り立っている。)
人体の免疫機能に大きく関与しており、病原体や異物から体を守っている。
白血球は骨髄系とリンパ系に大別でき、骨髄系には顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)と単球、リンパ系にはリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞など)がある。
※顆粒球・・・細胞内に殺菌作用を持つ顆粒を豊富に含んでいる。
好中球
異物を貪食し、殺菌する。
白血球の45~65%
①普段は血管内皮に接着している。
②細菌等の異物が体内に侵入すると、血管内から組織内へ入り、異物に向かって遊走する。
③異物のもとへ到着後、貪食し、細胞内の消化酵素により殺菌する。
好酸球
寄生虫除去やアレルギー反応に関与。
白血球の3~5%
①寄生虫が体内に侵入。
②好酸球から主要塩基性蛋白(MBP)が分泌され、寄生虫を除去する。
③MBPは正常組織にも攻撃するため、アレルギー反応を引き起こしてしまう。
好塩基球
即時型(Ⅰ型)アレルギー反応に関与。
白血球の0~2%
①好塩基球の表面にはIgEが結合している。
②抗原がIgEに結合する。
③好塩基球からアレルギー誘発物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、ヘパリンなど)が放出される。
単球
好中球よりも強い貪食作用を持つ。
白血球の3~8%
①普段は血管内に存在。
②異物が侵入すると組織内に移行し、マクロファージへと分化し、異物を処理する。
※分化・・・細胞が何らかの役割を持つように発達すること
〈マクロファージの機能〉
・殺菌作用
・抗原提示作用
・抗腫瘍作用
・サイトカイン産生
リンパ球
血液の中だけでなく、リンパ液にも行き来し、病原体や異物の侵入に備えている。
白血球の30~40%
〈B細胞〉
形質細胞・・・・・B細胞が分化したもの。
細菌やウイルスに対する抗体を産生する。
メモリーB細胞・・一度侵入した抗原を記憶する。
次回の感染時に素早く抗体を産生することができる。
〈T細胞〉
ヘルパーT細胞・・司令塔のような役割を持ち、他の免疫細胞の働きを調整
する。
キラーT細胞・・・ヘルパーT細胞からの指令を受け、ウイルス感染細胞や
腫瘍細胞を攻撃する。
制御性T細胞・・・働いている細胞が過剰にならないよう、免疫反応を抑制
する。
〈NK細胞〉
全身をパトロールし、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を直ちに排除する。
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